(睦)······げんげん、わたくし心理学を学んでみたいの。



(幻)······

へっ?



・心理学をよく分からないから、心理学を学んでみたいの。 唐突な概念を喋りますが、わたくしね、心理学と演劇って結び付いていると思うの。



心理学と指揮は結び付けないのですか?



・違うねん。 げんげんがしんどい生き方をしているのを、心理学を通して理解できたら、げんげんの中身に近付けるかなと思ったり、えへへへ。



僕は心理学は4単位分しか取ってませんし、詰まりは、深くは学んでいません。 よく分かりませんけど、僕の心の中にあって、のどに刺さった魚の骨みたいに、僕にいつも気にしていることは、例えばエディプス・コンプレックスとか、自我の形成とか、他人の目を気にするとか、過剰に真面目とか、自由さがないとか、感情を解放できていないとか?



・そうなんだけど、アカデミックに学んだら、わたくしもう少し上手くけんげんをサポートできるかなと思って。



学ぶことは凄くいいと思います。  心理学にも色んな分野がありますが、それらを学んだとしたら、それはみっきの生き方に活かしてください。 



・どうして?



僕には・・・・・・

僕の知人には心理学を学んだひとがおられます。 カウンセラーさんもおられます。 一生会えないかも知れないひとですけど、そのひとが心理学を学んで、役者さんをしてきたんですけどね、素晴らしい役者さんなんです。所作や声も含めて魅力的で、洞察力が鋭くて、痺れるような演技をされるひとなんです。 僕はその裏に、そのひと自身の積み上げてきた歴史があることは間違いないのですが、それを意識レベルに上げて体系的に整理するのが、心理学だったかも知れないと、僕は思っているのです。RPGも数多く実習されていました (僕はRPGがイメージできなかったのですけど) 。 この読みは全く間違っているかも知れません。 それならそのひとに対してとても失礼なことなので、今は他人さまになっていますが、叱られるかも知れません。 でも、アカデミックに学ぶとか、学問をするということは、役者さんになることに限らず、大会社の社長になるにも、大切です。 学んで損をすることはないです。 にいにいが医学や地理や英語や航空も、現実として自分の将来を大きく左右する為に始めたのではありません。 でも、みっきはにいにいを引き継いで、今でもそれらを続けていますよね? 続ける事が成功の第一歩なんて大袈裟に言いますが、そんなことは当たり前です。 そんな大上段に構えなくてもいいのです。 他人に与えられた課題は進みませんが、自分で選んだ学問は頑張れますよ。



人生を終えるまで舞台に立てる役者という商売は、とても幸せだと思います。 にいにいは舞台の人でしたけど、本当に舞台とそれに関する人たちや諸々を愛していました。 舞台には魔が棲んでいるというのは、気を抜いたら事故が起こるとか、スピリチュアルな事がよく起こるとか、そういうことだけじゃなくて、関わった人たちへ魅力の魔法を掛ける力も持っているとにいにいは言っていました。



僕も、その心理学を学んだ役者さんから、富士山の大きさに無量大数を掛けたくらい学びたいことがあります。 しかし、僕はそのひとと人間関係を築くことに成功していません。 そのひとは僕の最高のパートナーになり得ると、傲慢にも思っていました。 しかし、僕は明日にでもしんでしまうかも分かりませんから、 それを考えたら、僕は僕の歴史によって作られた僕で生きていくしかないと思います。 それが、笑顔を失って腹の底から笑うことを忘れてしまっている僕でもです。



・わたくしは役に立たないということですか?



分からないです。



・新喫茶の若い従業員に逃げていていいの?



彼女に関して言わせてもらえば、年齢が親子ほど離れていて、なにがどうなると言うものでもないです。



・「あしながおじさん」はよんだ?



はい。

だけど、僕はあしながおじさんではなく、「金色夜叉」のお宮に裏切られた貫一です。



・いえいえ、 「君の名は」に登場する後宮春樹だと思います。





(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)






✻ Mikki u. Gentschi ✻