(幻)······

みっき、僕にムラムラした気持ちを起こさせてくれますか?



(睦)······

裸になったらいいですか? エアリズム®を全部脱いで、制服を着ればいいですか? 家族感覚でいいのなら、お尻の湿疹の状態を見てくれますか?



みっきは発想が貧困やな?



・まさか、ウディ・アレンの映画で、ウディの妹とカップルになった変な性癖の男みたいなのはやめてください。



あんなこと、誰が要求すんねん!



・それじゃあ、例えばどのような?



寝乱れた巫女ちゃんとか、みっきがトイレを使っているのに気付かずに、バスルームの扉を開けてしまうとか、風呂上がりで髪をアップにしている最中に、身体に巻いているバスタオルが落ちるとか、転けかけたみっきを支えたら、両手がバストを掴んでしまったとか、、、



・人のこと言えませんよね? そんなん、ふつうに昭和のエロおじさまが妄想することですやん?



そ、そうかな?



・見えたり見せたりで興奮するのは中高生までだと思います。



僕、いまだに興奮しますけど?



・いいですか? エロいというのは、何らかのタイミングを逃した結果、見たかったものを見ることができなかった、体験したいことを体験できなかった、しかもその穴埋めができていない時、その悔しさから生まれる妄想や嫉妬が生む言動に纏わるドラマです。



お姫さま抱っことか、ハグとか、そういうことと思えばいいですか?



・モーツァルトのオペラも、そういう感情を上手く音楽にしています。曲が美しいので美化されていますが、ロレンツォ・ダ・ポンテの書いた台本は極めて人間臭いものです。 それに曲を付けたモーツァルトの中にも、遊び心満載だった筈です。 歌詞を読んでいけば、人間の本質を言葉でそのまま書いてあるところもあります。 きっと、それは当時の人間の真実の姿だったんでしょう。 それを現在でもこうして上演されるのは、その真実に大きな変わりはないということ。 それを部分的にでも否定する、または強調して肯定する意図を持たせる為には、演出を大きく変える他ないとわたくしは思いますが。 音楽は変えられませんからね。



何の話をしてたんでしたっけ?



・キスすらしていない恋人が、どこの馬の骨とも分からない奴と寝てしまうとか、実は、その馬の骨とも分からないやつが無二の親友だったとか、ここにロレンツォ・ダ・ポンテの台本の妙があって、モーツァルトはこれを読んで、頭が急速回転したんです。 きっとね。



「コジ・ファン・トゥッテ」の話ですね?



・ただ、横並びで考えられることの多い「フィガロの結婚」は、体制批判のフランス演劇が大元のオペラですから、モーツァルトの大家であられた海老沢敏さんなら、その成り立ちをどう比較、解釈、分析されるか、直接お話を伺いたかったとにいにいは言っていました。



益々ムラムラしなくなってきましたが?



・ W. Shakespeareも大衆演劇だったという説があるように、モーツァルトの最盛期のオペラも大衆歌劇だったかも知れません。 その辺は映画「アマデウス」に上手く描かれています。



でも、モーツァルトはミサ曲も多いですし、勿論、器楽曲も山程あります。アヴェ・ヴェルム・コルプスなどは、神聖すぎて倒れそうになります。



・だから、天才だと言われるんじゃないですか? 1つのメニューに絞って、研究を重ねて修行すれば、或いは、神がかり的な料理ができるかも知れません。 しかしモーツァルトは、身近な食材で366日飽きない料理をサッサッサーと作っちゃう感じです。 ただ、例外が1曲あります。それはにいにいの話では、最後の未完の大曲「レクイエム」だと言っていました。



エッチな気分にさせてもらえないのですか?



ほら、手を貸してみ?




うおっ!!




(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)






✻ Mikki u. Gentschi ✻