(幻) 指揮の勉強は?タクトを持たなくなってから、とても柔軟な振り方になったと思っているのです。



 (睦) タクトを持っていても持っていなくても、それがオーケストラの人たちや演奏と、有機的に無機的に関係し合って、聴衆の心を打つ演奏ができたら良いのです。本番で指揮者の何がしんどいかと言えば、オーケストラ団員には作られている、演奏しない時間がないということです。



クールに考えられるようになったのですね?



・わたくし、カエルちゃんの演技を思い出してみたのです。げんちゃんも言っていましたが、役者は演技を本物のように魅せるのが本分です。



はい。

本番で本当のことをやってはいけませんね。如何にも本物のようにやることが使命です。その為に日夜修練するんです。その為にいちばん大切なのは想像力です。



・わたくし、指揮者も同じだと思うのです。本番のステージで、前後不覚になるほど熱くなってタクトを振り回したら、聴衆は冷めるばかりか、オーケストラ団員の信用も得られません。



カエルちゃんには、役者として天才的な才能があると思っています。にいにいが初対面の日に見抜いていました。それは当たっています。

わたくしには指揮者として適性がありません。だからといって努力を怠っていたら、その間の距離は縮まりません。



デルタ宇宙域からアルファ宇宙域への道も一歩からです。



そっか。笑



・げんちゃんだって見抜く力を受け継いでいますよ。



推し子のこと?

___みっきは自ら自分を教える教官になったのですか?



・げんちゃん、教官は何かを教える人ではありませんよ。確かに基本的なことは教えます。しかし、大切なことに気付くのは教えられる人の想像力と感性です。教官はその大切なことに気付くヒントを与えるに過ぎないのではないでしょうか?




(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)










✻みっきとげんち✻