むつみ、相談していい?


⑥相談ですか? このわたくしに?


ねえねえのことなんだけど──────


⑥にいにいはどこまでもねえねえの味方になるのです。いいですか? ねえねえもつらいことがあったり、落ち込んだりすることもあると思います。勿論原因は分かりませんよ。そこで、にいにいが個人的または世間の常識に同調した意見でねえねえを責めたらどうなりますか? ねえねえは行き場をなくしますよね? ですから、にいにいはどんなことがあっても、ねえねえがホッとできる場所であらねばなりません。にいにいがよしよしすることで、ねえねえの疲れが癒される存在でなければなりません。それが正しいことか間違ったことか、わたくしには判断できませんが、それこそ愛情です。親は子どもをそうやって癒すでしょう? 況してや子どもを売る親はいませんよ。何があってもねえねえを守って差し上げてください。


俺まだ何も言ってないのに。


⑥表情を見れば解りますよ(笑)。にいにい自身が不満を言ったり文句を言ってはいけません。ねえねえには帰ってくるための安全地帯が必要なのです。それは小鳥が帰ってくるための鳥籠のように。それこそにいにいの存在です。


⑥赤い糸は見えません。そして誰とも繋がっていません。赤い糸は繋げるものです。その努力をなくして運命のひとなんて見付からないと思いますよ(笑)。


むつみ──────


⑥守ってあげてくださいね。攻撃しては駄目ですよ。ねえねえが世界中の敵になって、にいにいは最後のひとりになっても、にいにいはねえねえの味方です。そう信じることでねえねえはもっと活き活きと生きていけるのです。