新型コロナのオミクロン株が少しずつ日本の空港検疫で見つかっている。この変異株については専門家でもまだまだ分からないことが多い。ましてや一般人には分からないことだらけである。

一般人には「オミクロン」という名前がよく分からない。アクセントはあるテレビ局では「ミクロン」、別の局では「オクロン」(英語では前者)。ギリシャ語のアルファベットだから馴染みがない。なので「ウイルス戦隊 オミクロン」みたく聞こえるし、「ウブな乙女軍団 ウプシロン」もありそうだし、「いぶし銀忍者 イプシロン」もそれっぽい。「アイドル戦士 デカメロン」のデカメロンなんてギリシャ語にないのにありよりのありである。



そんなことはどうでも良い。なぜ新しい変異株がオミクロンと呼ばれるか。これもどうでも良いかも知れないが、これまでアルファ、ベータのほか、ラムダ、ミューなど12種類の変異株が見つかっている。ギリシャ語のアルファベットでオミクロンは16番目。飛ばされたのはクシー (xi) などだが、これは中国の習近平 (Xi Jinping) に気を遣ったからとも、中国人名に多いからとも言われている。個人的には中国人で習 (Xi) という名前は聞いたことがないから、WHOと中国の 癒着 親密ぶりがうかがわれるというものである。


うんちく話はこれくらいにして、あ、面白くないと思う部分はスクロールして文字の色が変わるところまで進んで頂きたい。

気になるオミクロンの特徴は、まず感染力が強い (多くの人に感染させる、ある人が感染してから他の人に感染させるまでの時間が短い)。このため、感染が市中に広まるとあっという間に既存株に置き換わる。イギリスでは1万人がオミクロン株に感染しており、来月までに感染者数は100万人を越えるとされている。いったん市中に広まればオミクロン爆発は必至である。

オミクロンは重症化率が低いとも言われているが、まだはっきりしない。ウイルスの進化 (突然変異から自然選択) は感染力強化と弱毒化がセットだが、それは何万年もかかる話である。突然変異の方向にプラス (生き残りやすい) もマイナス (生き残りにくい) もなく、あくまでもその後の自然選択で進化が決まる。30億年前に発生したウイルスは700万年前に現れた人類に寄生して、宿主 (しゅくしゅ、やどぬし) である人間を殺さない程度に弱毒化したものが自然選択されて生き残った。普通の風邪ウイルスがそうである。

そうは言っても、現在までに人類のいくつかの亜種はウイルスで全滅したと言われている。ウイルス側からすると、
「あー、やっちまったー。殺したら住みかがなくなるのにー。てへぺろ」
といったところである。約20万年の歴史を持つホモサピエンスは、今のところ、たまたまパンデミックによる滅亡を逃れているに過ぎない。

そんな進化の歴史を考えると、新型コロナウイルスがオミクロン株への変異でいきなり弱毒化することはかなりの幸運である。ただ、オミクロンに感染した入院患者は少ないという報告から、そういう幸運が実際に起こったのかも知れない。ウイルス側から言えば、
「この辺で手を打って、弱毒化して広がるだけ広がるようにしてやるか」
といったところかも知れない。オミクロン株がこれまで感染しにくかった乳幼児や未成年者にも感染するようになったのは、彼らの生き残り戦略 (感染力強化大作戦) を表しているのだろう。



さて、オミクロン株に対するワクチンの効果だが、黄色の部分を飛ばした人、こんにちわ。ワクチンの話はここからなので、飛ばして正解。

ワクチンが一般に重症化を防ぐのはどうやら正しそうである。しかし、これまでワクチンが予防の役目を果たしたことはない。日本でワクチン接種が広まったのが第5波の頃だが、すでにデルタ株がまん延していたので予防効果を発揮したかどうかは分からなかった。そして、オミクロン株の登場。ヨーロッパ、アメリカなど、ワクチン接種はなんの予防にもなっていない。オミクロン株感染者はほとんどが2回のワクチン接種を済ませている。ブレークスルー感染と言うが、ワクチンはそもそも穴だらけのしろものなのである。

そんなだから、今さら3回目の追加接種、ブースター接種をすることに意味はない。ワクチンはずっと前の変異株を元にして作られているのだから、オミクロン株に効かなくても製薬会社は言い訳できる。
「オミクロンはワクチンの予防効果をすり抜ける」
と。しかし、そもそも一般に新型コロナはワクチンの効果をすり抜けていた (ワクチンに予防効果はなかった) と思われる。なのに、製薬会社や各国政府は3回目の追加接種をするよう勧めている。どういう論理でそうなるのか。まともな理屈が考えられる人なら3回目に意味がないことは明らかである。さらに大本営発表では、3回目の接種は予防効果が短期間なので4回目を打った方が良いとしている。こうなるともはや、製造したワクチンを売らんかなの在庫一斉セールにほかならない。

ワクチンの効果について、
「いやいや、ワクチンが広まったおかげで第5波は収束したじゃないか」
と言う方、思い出してほしい。日本でデルタ株が激減した理由を専門家は分からないとしていた。ワクチンで東京の感染者数が20人になるなど想定外だった。せいぜい1日の感染者数が500人くらいまで減少するだろうという予測だったのだ。つまり、ワクチンはデルタ株に対しても予防効果があったとは言えず、別の原因で第5波は収束したのである。



そもそも第5波はなぜ収束したのか。日本においてデルタ株はなぜ激減したのか。あ、ここから読み始めた人、新しい話だよー。

デルタ株の激減を説明する説として、「カタストロフ理論」がある。
「え、ストロガノフ?」
「ビーフストロガノフじゃなくて、カ・タ・ス・ト・ロ・フ!」
「ト・マ・ト・ポ・ト・フ?」
「もー、ストロガノフ! ってこっちまで間違えたじゃないか!」




カタストロフはドイツ語で、英語ではカタストロフィー。破滅、破局のことである。専門用語では自壊と呼ばれ、ウイルスの自滅のことである。ノーベル化学賞を受賞したマンフレート・アイゲンが提唱した「アイゲンの法則」というのがあり、ウイルスが社会に広がるとある確率で突然変異して自滅するというのである。なにやらレミングの集団自殺を思わせるが、レミングの方は間違いとされている。日本ではデルタ株にこの自壊が起こったというのが一部の専門家の見方である。上にも書いたように、突然変異にはプラスもマイナスもあるのだから、自滅するような突然変異もそりゃあるだろう。

カタストロフ (自壊) を紹介したテレビ番組の画面を示しておこう。








デルタ株の激減がカタストロフによるのかどうかはともかく、ワクチンの効果でないことは多くの専門家が認めるところである。


こうまで書くと、ワクチンは打つべきでないと主張しているように思われるかも知れない。上に書いたように重症化を避ける効果はあるようだから、リスク・ベネフィット (危険と利益の兼ね合い) の観点からブースター接種などを判断するべきである。ただ、ワクチン接種率の低い南アフリカからの「オミクロン株は重症化リスクが低い」という報告を信じるならば、重症化リスクをことさら下げるためにワクチンを打つことはほとんど意味がない。つまり、ベネフィットは小さいのである。

ワタクシ的にはワクチンはおまじないかおふだの類だと思っている。
一方、リスク・ベネフィットのリスクは副反応である。統計では埋もれているが、ワクチン接種後に死亡したという1,000件ほどの例は「原因不明」で片づけられている。1億人の接種で千人の死亡だから確率は10万分の1である。これを高いと見るか低いと見るかは個人の価値観によるだろう。

死亡ほど極端でない副反応としては心筋炎などがあるが、最近、興味深い報告があった。ワクチン接種に伴い、赤血球の形が変化するというのである。ワクチン接種前の正常な赤血球はこのようなもの。




これがワクチン接種後に下のように変化することがあるというのだ。



このような変化に伴い、帯状疱疹などの副反応が報告されている。因果関係は定かではないが、少なくとも赤血球の形といくつかの副反応には相関関係がある。赤血球と言えば、アフリカで多く見られるように、赤血球の形が鎌状に変化することでマラリアを防いでいるが、それと引き換えに貧血症状などが見られる (鎌状赤血球症)。



もしかすると新型コロナの場合、ワクチン接種により赤血球が変形し、新型コロナの重症化を抑えているのかも知れない。それと引き換えに帯状疱疹などの副反応が出ることもありそうである。詳しいことはききるさんが関連記事をリンクしているので辿ってみて頂きたい。




さあ、これでオミクロンについていろいろと理解し、知識も増えた。え? ビーフストロガノフのくだりしか覚えてないって? まあ、それも良いんじゃない? カタストロフを覚えてたら、来週、誰かに話してみよう。ウケることを期待している♪