卓球ワールドカップ2019東京大会が始まっている: 2019/11/6(水)~2019/11/10(日)

今日現在、まだ世間の注目はラグビーワールドカップに集まり、多くの日本国民が「ラグビーロス」を感じている。そんな中、卓球のワールドカップが今週2019/11/6(水)から始まった。ラグビー同様、人々の関心は卓球のワールドカップに集まるか、見ものである。もっとも、開催期間がたったの5日の卓球と開催期間が44日におよんだラグビーでは比べものにならないかも知れない。






ひとつ前の記事の追記に書いたように、今回の卓球ワールドカップは東京オリンピックと同等の重みがある。いわば卓球だけ、ひとつの世界大会であるオリンピックに加えて、もうひとつの世界大会としてワールドカップが東京で開かれるということである。

そもそも卓球の世界大会は、
★(1).オリンピック卓球
★(2).卓球ワールドカップ
★(3).世界卓球

の3つである。このうち、(1)と(2)は試合方式が同じになっている。つまり、(1)、(2)、(3)のすべて2つの国と地域の代表3人が5試合を戦う(先に3勝した方が勝ちである)が、(1)と(2)は初戦がダブルス、第2~5戦がシングルスである。これに対して、(3)の世界卓球は5試合すべてシングルスである。そういう意味で今回の卓球ワールドカップ2019は、オリンピック2020がもう一回あるようなものである。

上のような試合方式がどういう意味を持つかは、具体的なオーダー(試合の順番)を考えればよく分かる。日本女子の場合、(1)と(2)ではトッププレーヤー2人とダブルスができるプレーヤー1人でチームが構成される。2019年11月の時点ではトッププレーヤーの2人は、伊藤美誠(世界ランキング7位)と石川佳純(同8位)であり、この2人とダブルスを組んだ経験がある平野美宇(同10位)が3人目のプレーヤーになる。




伊藤、石川、平野のうち、エース(ベストプレーヤー)の伊藤がシングルス4回のうち、2回を戦うのが有効な戦略であり、最初のダブルスは消去法で石川・平野ペアが出場することになる。また、ダブルスに続く第2戦のシングルスは伊藤が出てくる(初戦を戦った石川か平野が第2戦も連続してプレーすることはない)。相手も同じ理屈でオーダーを組むと、第2戦はエース対決になる。

つまり、基本オーダーは、(1)オリンピック卓球、(2)卓球ワールドカップともに、
●第1戦 石川・平野
●第2戦 伊藤
●第3戦 石川(または平野)
●第4戦 平野(または石川)
●第5戦 伊藤

となる(末尾の【追記】および【追記2】を参照のこと)。

これに対して5戦すべてがシングルスの(3)世界卓球では、
〇第1戦 伊藤
〇第2戦 石川
〇第3戦 平野
〇第4戦 伊藤
〇第5戦 石川

のようなオーダーになる。

こういう意味で、今回の(2)卓球ワールドカップと、来年の(1)オリンピック卓球は、性格が似たものとなる。







卓球ワールドカップ2019には12の国と地域が参加している。女子の参加チームは、
<1>.日本(伊藤、石川、平野)
<2>.中国(陳夢、丁寧、王曼昱、劉詩文、孫穎莎の中から3人)
<3>.エジプト
<4>.ルーマニア
<5>.ブラジル
<6>.アメリカ
<7>.バヌアツ
<8>.香港
<9>.韓国
<10>.オーストリア
<11>.ウクライナ
<12>.台湾(チャイニーズタイペイ)

となっている。

これら12のチームは4つのグループに分けられ、まず各グループ内の総当たりで予選を戦う:
<A>.中国、ウクライナ、エジプト
<B>.日本、アメリカ、オーストリア
<C>.台湾、ルーマニア、バヌアツ
<D>.香港、韓国、ブラジル


各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進む。日程は女子の場合、
◎2019/11/8(金) 16:00~ 準々決勝 第1、2試合
          19:30~ 準々決勝 第3、4試合
◎2019/11/9(土) 13:00~ 準決勝 第1試合
          19:15~ 準決勝 第2試合
◎2019/11/10(日) 19:00~ 決勝

のようになっている。この記事を書いている時点ですでに予選は終わっており、すなわちすでにベスト8が出揃っており、準々決勝以上の組み合わせは下のようになっている。





なお、日本が戦った予選は、
◎2019/11/6(水)12:45~ 〇日本(3勝)vs. ×オーストリア(0勝)
◎2019/11/6(水)19:30~ 〇日本(3勝)vs. ×アメリカ(0勝)

という結果だった。これにより、日本は<B>グループ1位で予選を通過し、決勝トーナメント準々決勝に進んだ。



オーストリア戦のダブルスでは、スポーツ選手と思えないような「かなり太め」の選手が出てきて驚いたw ← ワラッタラ、シツレイ、ダヨーw ← オモエモナーw




日本はもちろん優勝を狙っているが、実力では中国がまさっている。果たして、日本は何位になるか。優勝(金メダル)か、準優勝(銀メダル)か、ベスト4(銅メダル)か。金メダルはもちろんのこと、銀メダルを獲得するのもそう容易ではない。日本チームの成績いかんによって、卓球ワールドカップが大いに盛り上がるかどうかが決まる。


みなさん、お楽しみに!






【追記】

ワールドカップでの基本オーダーは上に書いたようなものだが、バリエーションとして、合計3つ(または6つ)のオーダーが考えられる。

<基本オーダー>
●第1戦 石川・平野
●第2戦 伊藤
●第3戦 石川(または平野)
●第4戦 平野(または石川)
●第5戦 伊藤


<みまかっすんオーダー>
●第1戦 伊藤・石川
●第2戦 平野
●第3戦 石川(または伊藤)
●第4戦 伊藤(または石川)
●第5戦 平野


<みうみまオーダー>
●第1戦 伊藤・平野
●第2戦 石川
●第3戦 平野(または伊藤)
●第4戦 伊藤(または平野)
●第5戦 石川


ダブルスは多くの場合、右利きと左利きの選手を組み合わせる。3人のうち、石川だけが左利きなので、<基本オーダー>か、<みまかっすんオーダー>が実現可能性の高いオーダーである。しかしそこは、「みうみまペア」での経験を生かして、<みうみまオーダー>もあり得る。つまり、日本チームの場合、どのオーダーを使って来るかは試合前には分からないという長所を持っている。どのオーダーで来るかは対戦相手にとっては難所だが、見る側としてはひとつの楽しみである。







【追記2】

日本チームの準決勝、対韓国戦の時点(2019/11/9(土))で追記の追記をする。伊藤・石川・平野のチーム構成の場合、エース伊藤を2回のシングルスに使うのが有効な戦略であることを上に書いた。その場合、基本オーダーのひとつは、

<基本オーダー>
●第1戦 石川・平野
●第2戦 伊藤
●第3戦 平野
●第4戦 石川
●第5戦 伊藤


であるとした。いわば、全選手をまんべんなく使うというオーダーである。しかし、実際の韓国戦では、さっさとエース伊藤を使うというオーダーが使われた。

<基本オーダー(エース先出しパターン)>
●第1戦 石川・平野
●第2戦 伊藤
●第3戦 平野
●第4戦 伊藤
●第5戦 石川


このオーダーでは第4戦の伊藤で勝負をかけることになる。実際、準決勝では第5戦の石川を投入する前に、第4戦のエース伊藤で韓国を撃破することができた。









さて、明日2019/11/10(日)は決勝、対中国戦。優勝をかけた大勝負である。日本チームに栄光あれ!