昨夜借りているアパ-トの大家アンジェラさんが、12歳の息子さんを連れて訪ねてきました。

  到着して鍵をもらうのに彼女はボロ-ニャ不在で、入室の立ち会いは彼女の友人でした。

  数日してボロ-ニャに戻ったと連絡がありました。部屋の不都合の有無を訊くのと同時に、できたら挨拶に立ち寄りたいとの内容でした。


  昨年アパ-トを借りるにネットで見つけたこの部屋の決めては、まずレース教室に近いということ。
  次に貸主が近くに住んでいて、部屋の不都合が生じた際に迅速な対応があったという、借りた人たちの評価でした。

   外国人向けのイタリア語学校で教えているアンジェラは、当然外国人に話しかける滑舌やテンポに長けていて、部屋の備品使用の説明もよくわかりました。

   古い建物の景観を愛でるのでなく、実際にそこで生活するとなると、水やお湯の出具合から始り、備品の不都合などなど、何かしらが起きると予め身構えていた方が間違いがありません。


  何かが起きたとき、貸主の迅速な対応が望めることは最重要です。




  今回、到着直後から体調を崩し、エミリア・アルスの教室に通うだけで精一杯だった私。いまはとても時間がないからとsenza un salutoのままやり過ごしていました。

   身体も快復、こなすべき諸事も終わったいま、アンジェラに挨拶なしで帰国するのは、さすがに気が引け、日曜ならば時間が合わせられると伝えました。

   ひとり息子のアレッサンドロくんは少し内気ながらも率直な少年で、テレビでやっているムサシ?が主人公の釣りをテ-マの日本アニメが大好きだそうです。

   日本人に直に日本語のさわりを訊いてみたい、がアンジェラが息子をともなって来た理由かもしれません。

  日本語の文字表記を訊かれました。

  用意していた伊藤若冲の絵のファィルを手渡したら、昨年ボロ-ニャであった北斎展の話になり、親子で観に行ったそうです。

  なかなか教育熱心なお母さんかな?

   キッチュな部屋にボロ-ニャのとても古い地図や写真が掛けられているから、美術文化に関心があるのかもしれません。




    この古い地図、昨年一緒に来た夫が欲しいと言い出し、街の古本屋中をあたりましたが、このくらい古いものは見つかりませんでした。

   ボロ-ニャは学生の街なので、古書店がたくさんあります。古い料理本等も訊いたら丁寧に探してくれました。



  ボロ-ニャのシンボル、ふたつの斜塔のむかしの様子


  テ-ブルいっぱいに拡がる、明日のレッスンの準備を見たアンジェラが

        Come la preghiera、
      祈りみたい、とひと言


   緻密なレースは未亡人や修道女の手仕事であった記憶が、彼女にそんな発想を持たせたのかな?


     
      禅と同じ、
                 とも言ってました(笑)