八重子ちゃんが中学生になると、その美しさに女性らしさが加わってきた。私達は最近まで三人で入浴していた。男の球児はさすがに一年ほど前から入ることはない。八重子ちゃんとは、今も入る。私を見て将来の自分の姿を予測しているようである。
私が中学生になると奥様は次々に二人の子供を授かった。八重子・球児、の一姫太郎である。奥様は奈々さんなので、なかなか面白い命名である。
母親が天真爛漫で情緒も安定しているので二人とも健やかに成長してきた。素直で明るく、利発である。私も奈々奥様から受けた愛情に報いるため、良き姉さんになろうと常に心がけてきた。私の気持ちに応えるかのように二人は、私を実の姉のように慕っている。二人とも性格ばかりでなく容姿も桁外れに美しい、一緒にいるだけで幸せな気持ちになれる。
私の母も二人が幼い頃に、奥様が子育てで悩むことがないよう献身的に尽くした。私達親子も二人の子供を身内のように感じているし、奈々奥様も私達に全幅の信頼を寄せている。
二人の子供は、エキゾチックな美しさを備えているがそれは、現社長の生まれに起因している。
先代社長は、物資の貿易で財を成したのだが、そのため若い頃、東南アジアを中心に各国を度々訪れていた。ある時、一人で出国し、二人で帰国したらしい。現社長の母という女性は、地方の名主の娘で、どうしてもその土地を離れる訳にはいかなかったらしい。


さて、私がメイドとして仕える東家の一族は、先代社長、その一粒種の息子の現社長、社長婦人、その子供二人の計4人である。二人の子供の世話は、社長婦人が「母親の仕事ですし、私の生き甲斐ですから」と言って、そのほとんどをやるので子供に関しての私の仕事は、遊び相手程度である。社長婦人は教養も良識もある立派な女性で、現社長の日常の世話も妻としてきちんとこなしている。私や使用人に対しても分け隔てなく接して下さる汚れを知らない少女がそのまま母になったような方で、私も大好きである。私は、奥様とお呼びするのに対し、珠ちゃんと呼んでくれる。私が小学生の頃、嫁として東家に来た。私の母は、世間知らずのお嬢様の性格を見極め、社長婦人としてのノーハウを事細かに伝えてきた。母も奥様の性格の良さに心酔している。奥様も何かあれば母に任せればと、信頼しており、二人には立場を越えた友情がある。
私が小学生の頃母にきつく叱られた時など、本当に優しくしてくれた。奥様に抱かれ、奥様の胸で泣き暮れたことも度々あった。奥様の綺麗でいい匂いのする胸が大好きだった。