今思えばそこに座った日にパチンコから足を洗うべきだった。しかし、あの時はそんなこと思いつかなかった。都合の良い貯金箱のように、一万、二万と毎日引き落とした。限度額は、すぐに訪れた。それでも、朝10時少し前に並び、店内で狙い台に座る満足感。音楽と同時に打ち始め、今日の行く末を案じる高揚感を失いたくはなかった。他人事のように捉えていた多重債務者という言葉。今、私はその一人。現実味がないまま、金属球をはじき続けた。毎日危険な綱渡り。なのに自分には、命綱があると勘違いしていた。三社目が限度額を迎えた時、月ごとの返済額は八万近くになった。