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併設されてる「水生生物保全センター」と合わせ、福島県が160億円かけてオープン(2000年)
させた水族館です。福島県沖は、親潮(寒流)と黒潮(暖流)とがぶつかる“潮目の海”。
豊かな海の幸に恵まれ、水族館のある小名浜もまた、昔から有名な漁港となっています。

「アクアマリンふくしま」は、この福島県沖に現れる“潮目”をテーマとし、
様々な角度から海の不思議に迫る水族館。左右に巨大な親潮水槽と黒潮水槽とを配し、
その間を三角形のトンネルとしている「潮目の大水槽」などが見所です。
水族館の舞台裏見学も含め、ガイドによる説明もいろいろなされてますので、
もしじっくり見学しようとしたら、丸一日くらい費やすかもしれません。

簡単ながら、個人的に興味深く思ったことを以下に箇条書きで…。
・卵が「キャビア」として高値で取引されるチョウザメは、寿命100年くらいといわれている。
・チョウザメのメスは、キャビアを採るための養殖用に欠かせない存在なので、
 水族館用に分けてもらえるのはオスばかり…。
・魚にとって、人の体温は火傷するくらい高いため、飼育用に調達した魚は、
 直接手で触らないことが原則。
・水族館で用いる海水は、直接沖合いからポンプで汲み上げ、ろ過している。
・採用しているろ過方式は、密閉式と開放式の2種類。前者はろ過スピードが速いものの、
 海水に十分な酸素が含まれないため、専ら肺呼吸をしている海獣用。それに対して後者の方式なら、
 ろ過時間はかかりますが海水にも酸素が十分含まれ、エラ呼吸する魚にも使用可能なのだそうです。
・ヒラメやカレイは、色素胞を広げることで体色を変化させている。
・「アクアマリンふくしま」には、3tまで大丈夫なエレベータが設置されている。
 このクラスのものになると、国内では他に、鹿児島で設置されているくらいなのだとか。。。
・ヒラメとカレイとは、「左ヒラメ右カレイ」といわれるように、目の付き方に違いがあるほか、
 ヒラメは小魚やエビを食べ,カレイはゴカイを食べるというエサの違いから、口の大きさは
 ヒラメの方がカレイより大きい。
・寒流の親潮は、暖流の黒潮より遥かにプランクトンが豊富。親潮の場合、冬の時期に海水表面が
 冷やされ、重くなって沈降し、海底近くの海水が入れ替わって表層に出てくる。海底近くの海水
 には、養分がたっぷり含まれており、これを利用して植物性プランクトンが大増殖。これに連動
 して、動物性プランクトンも大増殖する。
・サンマは黒潮と親潮にまたがって一生を送る。サンマの卵が産み付けられるのは、
 冬の黒潮に漂う“流れ藻”の中。稚魚は黒潮に乗り北上し、親潮とぶつかる“潮目”へと達する。
 稚魚はしばらく“潮目”で低い水温に耐えられるよう身体を慣らした後、エサが豊富な親潮へ。
 そして、たっぷり栄養をつけ、十分大きくなると、再び“潮目”で身体を慣らし、黒潮の側にある
 産卵場所へと向かうことになる。福島県沖でのサンマ漁は、産卵前に“潮目”へ集まってくる
 サンマを狙ってのもの。