ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む
―万葉集
“雨”が降らないのでしょうか・・・
掲歌のように、“蓮”の葉に溜まった水が、“玉”になるような様をみてみたい・・・と思うこの頃ですが、の真夏日の週末はいかがお過ごしですか?
「椿山荘」2万坪の庭園の奥まった一角『料亭 錦水』門
「椿山荘」庭園を神野美伽さんと散歩・・・
『料亭 錦水』玄関
「料亭 錦水」音羽の間
“梅雨期”は、雨が降らなければ降らないで、夏の渇水が心配になり、また降り過ぎれば、水害が心配・・・という、一喜一憂の毎日ですが、最近の季節の傾向は、例年より“一ヶ月早い”そうで、旧暦さながらの季候を感じながら、“空梅雨”を憂いで、“梅雨明け”のような日照りの連続を嘆く・・・・
今朝の蒸し暑さは、まさに“水の無い月”と、梅雨時のじめじめした時節を忘れてしまいそうですね。
でも、こうして“雨”を慈しみ、請うてはいても、やはり晴れた日の群青の透き通った空と、碧色に輝く水面に浮かぶ華麗な“蓮”の花を目にすると、“青”“碧”“白”“薄桃色”の色彩の耽美を、モネの“睡蓮”のごとく、太陽の光と水の戯れる“色”の美を堪能したく思います。
「料亭 錦水」の前菜盆は、“蛍の籠”や、ガラスの器で“涼”を演出・・・
“走り松茸”椀
“蓮の葉”で飾られた豪華絢爛なお刺身盛り
“蓮葉に 溜まれる 水の 玉に似たる見む・・・”蓮の花盛りは、この季節ならでは美!
夏至の頃のスタミナアップには、天然うなぎや鱧しゃぶなど“長い魚”が最適!
和牛ロースは、富士山の溶岩焼きで、旨みが引き立つ・・・
そんな“蓮”の観賞には、静なる庭の美を誇る京都「法金剛院」の“蓮”が有名で、初夏の紫陽花や、夏の“蓮”が、極楽浄土を再現したかのように、咲き始めた様です。
http://kyoto.cool.ne.jp/kyotocity/niwa/hokongoin.htm
さて、この「法金剛院」ですが、遥か平安初期の1130年に、右大臣清野夏野が山荘として建て、その後文徳天皇が大きな伽羅を建て、“天安寺”として改築し、さらには鳥羽天皇の時代の中宮待賢門院璋子が、亡き白河天皇の菩提を弔うために建立し、「法金剛院」となった由緒ある寺です。
そんな古の歴史への想いを、花に籠め“蓮”とともに、平安末期の朝廷に咲いた大輪の花、待賢門院璋子という女院の存在も、心に留め、この寺の北の陵に眠る待賢門院を偲んでいただければと思います。
http://www.mika-shinno.ecnet.jp/index2.htm
白蓮を はなれぬ靄に 鳰(にお)浮かぶ
―水原秋桜子
今日は一ヶ月早い“大暑”かと思うような酷暑からはじまった朝ですが、水無月最後の週末は、朝靄の中で“白蓮”の葉に溜まる“玉”を愛でられるような、そんな清々しい夏至の自然の美とともに過ごす良き週末をお迎え下さい。 http://www.chinzanso.com/restaurant/kinsui/