睡蓮の水に二時の三時の日
―後藤比奈夫
水無月朔日は、友人のプロゴルファー・元木佳代子プロと、由美ママのメンバーコース「カメリアヒルズCC」へとゴルフに行っておりましたが、ここでは、青く色づきはじめた紫陽花や、涼しき“水無月の花々”が、雨に似合う美を競って静かに咲いておりました。
No.16 ティーグランドの池の向こうに咲く“ガクアジサイ”
“古代蓮”の葉の蔭に隠れて、眠るように浮かぶ“睡蓮”
「カメリアヒルズ」には、雨に似合う“紫陽花”の他、No.16の池には、“古代蓮”の葉の蔭に隠れて、水面に“睡蓮”が浮かんでいましたが、この“睡蓮”とは、和名では“未草(ヒツジグサ)”、英語では水の女神であるところの “Nympha(ニンファー)”と命名された“蓮”に似た花ですが、
ふたつの花の違いは、“蓮”は、葉や花が水面から立ち上がるのに比べ、一方“睡蓮”は、葉も花も水面に浮かんだままの姿を保ち、夏、池や沼で水面スレスレに清楚な花を咲かせます。
和名の”ヒツジグサ(未草)”とは、“睡蓮”が“未(ひつじ)の刻(14:00)”の頃に花が開く・・・ことから名付けられましたが、実際には午前11時頃から咲き始め、夕方4時頃には萎ぼみ、掲句のごとく“三時の時”、花が眠るように閉じます。
ところで、“睡蓮”と云えばモネが有名ですが、モネ(1840~1926)が活躍したフランス印象派の時代とは、日本の芸術・文化がヨーロッパに紹介された時代でもあり、モネやカイユボットは、絵画はもちろんのこと、庭造りにも日本の様式を取り入れ、ジヴェルニーの屋敷に隣接して日本風の「睡蓮の庭」を造成し、この日本庭園内の水の世界で、モネは“睡蓮”の連作に没頭し、朝から夕方まで、時とともに変化する池の様子や、水面の反映と花の美しさを捉えようと試みました。
また連作には、岸の柳や太鼓橋などを配したものもありますが、モネの関心は、最後には“池”のみに集中し、画面を完全に水面だけで覆い、花や水を描出する筆触や色彩は、初期の印象派主義的な手法とは異なり、表現主義的ともいえる激しさで、水面の神秘的なまでの美を伝えています。http://www.nmwa.go.jp/jp/pictures/1959-0151.html
元木佳代子プロは、栃木県喜連川に在る「ベルセルバCC」の総支配人として活躍してますから、是非ここへもお出かけ下さい。http://www.belle-co.com/bellselva/
山の池底なしと聞く未草(ひつじぐさ)
―稲畑汀子
「カメリアヒルズCC」では、初夏の陽を浴びてきらきらと水面からの輝きを放つ“睡蓮”に魅了され、あのモネさえも心を奪われたこの“水無月の花”を愛でることができた素晴らしいひとときでした。http://www.camelliahills.com/