春風に揺れる“藤の波” | 銀座由美ママの心意気

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働く女の心意気を、銀座という世界を通して、様々な観点から表現したくブログを始めました。 そんな銀座ママの日常です。どうかご笑覧下さいませ。


行く春の うしろを見せる 藤の花  「小林一茶」


カメリアヒルズでは、強風に煽られてのプレーでしたが、藤の花が綺麗に咲いていました。

さて、この晩春を彩る豪華な花・・・と言ったら、
何と言っても「藤の花」に尽き、
初春の頂点が桜なら、晩春は藤なのでしょうか、古来より、春の花の中では桜に負けず劣らず、人々に愛されているのが、この花で、
桜の初々しくも華やかな姿に比べ、「藤の花」が空から擡げる典雅な様は、しっとりとした藤娘のごとき美を感じさせてくれますね。

また、「藤の花」の色合いは、それぞれに濃淡はあるものの、まるで日本人の嗜好に合わせて作ったのではないかと思われるような柔らかな印象で、
小さな花が寄り集まっているからなのでしょうか、
菖蒲やアヤメなどの大輪の花とは違って、「藤の花」に目を向けると、視界に入るのは花だけではなく、
その隙間から見え隠れする若葉などの鮮やかな緑色が、自然に花の紫と調和して混ざり合い、心安らぐような印象で、
濃淡の織り成す模様がつくる優しい色合いが感じられますね。


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そして「藤の花」の花房は、簪などに用いられ、春風が吹く度に揺れるそのグラデーションは、古典に於いても、
“藤の波”や“藤浪”と言われ愛でられてきました。

銀座由美ママの心意気-カメリア 藤

我が宿の藤の色こきたそがれにたづねや来ぬ春の名残を―「源氏物語和歌」


そんな、濃い紫が匂うよき晩春のひとときでした。