採寸のこと | 銀座きものギャラリー泰三

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一度は袖を通したい着物がここにあります。きもの創作工房 (株)染の聚楽

先月に引き続き今月も最後のセールをいたしております。
お陰様で先月は次々とご来店頂きましたが、ブログを以前から読んでいたと言う方が何人も初めてご来店になりました。
当店がどうもよほどの高級品しか無いと思っておられたようですが、最後と言うことでお見えになって、以外と手の届くモノが思ったより多いと言うことでもっと早く来ていれば良かったなどと申されており、買いやすいものも多いのだと言うことをもっと強調すべきだったかなと今頃になって反省する次第です。
実際今の売り手の不存在という現象は益々輪を掛けていますし、たとえば当店でお仕立てをさせて頂くときに、お使いの襦袢があればお持ちくださればそこから採寸いたしますが、念のためにご自身を採寸してみると、ひどく寸法の違うものが多く、それがほとんどNCの店です。
特に裄が短いものが多く、きっと採寸するときに真横に手を上げたままでしているのではないかと思われます。
45度下げて首の付け根から手首のぐりぐりまでを測るのですが、間違えているのではないかと思います。
キモノを買ったときにその襦袢を作ったと言うことですから、キモノの裄も短いはずで、お聞きしてみるとやっぱり短いと思っていたと言うことでした。
初心者だからそんなものだと思っておられたと思いますが、本当にもっと基礎を勉強して売り場に立って欲しいとつくづく思ってしまいます。
寸法表をお持ちの中でも有り得ない寸法が書いてあったりして、嘆息しています。
もちろん全てがそうだとは言いませんが、キモノを知らないものがうろ覚えのマニュアルで採寸したのだろうと思います。
ひどいのは同じ店で作った数枚のキモノがわずかずつ寸法が違っていて、それに合わせた襦袢をそれぞれに売りつけていました。明らかに故意だろうと思いますが、ひどいものです。まあ倒産しましたが当然だろうと思います。
売り手がプロでないことが、消費者の不信を生み、そのことがキモノ需要の衰退の一因でもあると思います。
何時も私が言うように当たり前のことを当たり前にすると言うことが肝要ですし、消費者の疑問にも正しく受け答えできなければなりません。
また着る側も、リサイクルで買ったのか、ツンツルテンのみっともないもをそのまま着ているなどと言うのは本当におかしいですし、身丈、裄その他の寸法をその店で計って貰って、おかしくないか確認してください。
ただこれまた程度の低いリサイクル店では採寸も出来ない店員がいたり嘘八百で売りつける者もいますので、少しでもおかしいなと思ったら絶対買うべきではありません。
キモノを着るときの襦袢との寸法に差があるのもおかしいですし、それもよく考えてお買いになってください。
生産現場の疲弊でだんだん良い物を作る力がなくなっていきますから、中にはリサイクルのものの中に良い仕事の掘り出し物があるときもありますし、リサイクルで買うことに抵抗がないなら、これから先良い物が市場に出てくる可能性もないとは言えません。
どんな販売形態であれ、お買いになった方々が素敵に見えるようアドバイスするのが売り手の仕事ですし、自らもキモノをもっと着て色々勉強して欲しいものですね。