おもてなし文化のために | 銀座きものギャラリー泰三

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一度は袖を通したい着物がここにあります。きもの創作工房 (株)染の聚楽

日本の文化関係の予算はたった1000億円です。


それが全くずっと増えていません。


フランスはその10倍の予算規模です。


日本の政治家や官僚でこれを増やそうとしたものがいるのかいないのかは別にして恥ずべき状況であることには違いありません。


日本は文化国家だと大見得切って言いながらなにも教養がない、程度の低い議員もいますが、今の状況ではこれから先を思うととてもこの国の多種多様な文化を維持できないのは明らかです。


教養なき官僚どもはすぐになんとか会館を作りましょうとか、箱モノばかりを言います。


そのソフトに関して何も知らず何も勉強しようともしないのです。


文化の継承はまさに人づくりなのです。会館づくりではありません。


後継者をいかにして育てていくかということに関しての特段の知恵と、実行する裏付けが必要です。


国は、オリンピックを機にもっともっと多くの外国から観光客を誘致しようというのですが、海外から来る人は日本の文化に触れたがるわけです。


これからもずっとそのことに対応できるためにも、つまりおもてなしができるためにも、その文化をこれからも継承していく人を育て増やさなければなりませんし、それは国策としてなすべきなのです。


民間でも同様で日本橋や丸の内に陳腐なビルが激増していますが、ほぼ和室の一つもなく茶室など皆無の状況です。


海外からの要人を何で持って迎えるのかといまさにおもてなし文化をその連中は有していない、そういう教養が皆無だろうということでしょうか。


今度のオリンピックは成熟社会の中での開催ですし、ぜひ来られる人たちに、日本という国の本質に触れてもらいたいと思います。


すごい建物や施設などを誇る時代ではありません。


これを機会に日本人が先人の紡いできた文化に目覚め、それなりに行動できるような環境を整えるべきです。


私はあと半年ほどで65歳となりますので、最近市民便りなどの高齢者用のプログラムなどに時々目を通すようになりましたが、文化という面で見るとまだまだ貧弱です。


私と同じ団塊の世代で文化的素養のないものは本当に多く情けない思いをしておりますが、人数的にも非常に多いわけですから、こうした年齢層に対しても伝統文化の啓蒙をすることは無意味ではありません。


退職されてから茶道や謡曲をされている方も存じ上げていますが、生き生きとされておられます。


ぜひ国の文化予算を増やして、伝統文化に触れる機会づくりを増やして、先人の魂を理解できれば、日本が培ってきた真のおもてなし文化にも目覚めることでしょうし、その価値を認め次世代へ繋げようと考える人も増えることだろうと思います。


しかし何よりも言い出しっぺの政治家や官僚にもっと文化教育をするべきではないか、おもてなし文化とは何かを叩き込まねばならないと考えますがね。