京都人は外から来る人に意外に優しい | 銀座きものギャラリー泰三

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一度は袖を通したい着物がここにあります。きもの創作工房 (株)染の聚楽

京都に帰ってきましたが、相も変わらずキモノや帯の生産は低調かつ低級化しているようで、特に高級フォーマルの生産はゼロにも等しい現実です。


それを主として生産してきた泰三のキモノはそういう意味では貴重かもしれませんし、最近あちこち探しまくった末にお見えになってご満足いただく方がおられて。私もたいへんうれしく思います。


当方でもかつてよりは確かに生産も落ちてはいますが、付け下げも含めて、変わらぬ姿勢で、上品な美しいキモノをコツコツ作っております。


ぜひ一度銀座なり京都なりで見ていただきたいと心より思うものです。


さて昨日ですが大阪に歌舞伎を見に行ってまいりましたが、その劇評は別にして、行きは京阪と大阪市営地下鉄、帰りは大阪地下鉄、阪急と京都地下鉄という交通機関を使いました。


ついでにデパートの呉服売り場を見たりして、昨日だけでも随分エスカレーターに乗りました。

まあどうでもいいような話ですが、このエスカレーターに乗るときに、東京は左側に立ち、急ぐ人が右側を歩いていきます。ところが大阪は、右側に立ち左側を歩く人が行きます。


その違いは、大阪に万博があったとき海外から来る人が右側に立ったからで、実はこれが国際標準だそうですが、東京は人の歩行が左側通行だからということでいつの間にか左に立つようになったと言うのですが、真偽のほどはわかりません。


総じて関西は右側に立つのですが、その境目は米原あたりではないかとか色々調べている人もいてそれはそれで興味深いです。


京都も基本的には右側に立つのですが、不思議なことに地下鉄烏丸線だけは誰しも何の衒いもなく左側に立つのです。


たとえば四条烏丸駅ではみんな自然に左側に立つのに、その後大丸に入るときは右側に立っています。


なぜだろうと思うのですが、この線を利用する人たちは全くそれが習慣となっているようです。


この線はJR京都駅で、多くの観光客が乗り込んできます。


京都に来る観光客は東京から来る人が一番多いようで、その人たちは当然ですがエスカレーターでは左に立つのです。


京都という街は、歴史から見ても外から来る人たちのおかげで成り立って来ましたから、観光客への気遣いすることに何の迷いもないのではないかと考えます。


ですから地下鉄が完成した当時から、観光客が左に立つことに京都人が合わせてきたのではないかと思うのです。


京都人はわかりにくいだとかよく言われますが、事実は存外、外から来る人に対しては気を遣っていると思うのですがいかがでしょうか。


そして京都人自身にその習慣が身に付き、私が利用する北山駅でも、みんな左に立っているのです。京都人は優しいのですね。