ハサミのひとりごと「カット1万円」 | 福岡市中央区大名の美容室ギンザヘアー好きなことして生きていく

実は、理美容業界はもう何十年も価格を上げて来ていないのです。特に理容に関してはその傾向が強いです。

 

この背景に1000円カットに惑わされたことが一要因と考えます。

 

規制緩和により料金が自由化になり、ここで簡単に料金を下げてしまった。

 

これに伴い多店舗展開企業が増加し、個人事業の力のないサロンが廃業に追い込まれました。

 

元々この業界は家族経営が多く、そのほとんどが1人ないし2人の従業員で営業している状態でした。

 

 

 

実は、現在でも全国のサロンの半数以上がこの形態です。

 

理美容は元は公衆衛生の1事業の業界ですが、現在はファッションの一端を担う構造に変化をして行っております。

 

しかしながら理美容組合の影響と社会の変化に対応できずに、組織とは名ばかりの一個人店の集まりが対応を誤った・・・

 

デザイン料を取ってこなかったツケが、もう何年も料金が上がっていない背景だと思います。

 

夜遅くまで新しい技術を習得しても、セミナーで新しい知識を入れても還元されない。

 

 

iPhoneでも家電でも、ものの価値はバージョンがアップデートするたびに価格を上乗せしている。

 

バッグ一つとっても良いものはたくさんあります。しかし、その値段はどうでしょう?

 

ヴィトンやエルメスなどの様に4~50万するものもありますし、似た様なもので1000円程度のものもあります。

 

価値観は人それぞれです。しかし、物やサービスはその人の生活や人生を豊かにするものです。

 

 

 

物価は上がって来たがこの業界はむしろ価格を下げてしまった。

 

給料が上がらなければ離職率が上がる、結果、業界の衰退の一途を辿る。

 

もし今ブラック企業調査に美容室がターゲット入ったら多くのサロンはアウトでしょう!

 

この状態を今後も放置してしまうとこの業界は確実に無くなるか、業態が変わってしまう恐れがあります。

 

変わっていくのであれば良い方向に向かいたい!

 

 

 

20年以上この仕事をしていて、この決断は勇気がいることですが業界の価値を再構築するいいきっかけになればと思っております。

 

価値に見合う努力とお客様に対する責任をより一層のプライドを持って取り組みたいと思います。

 

 

サロンオープンから、「オーガニック・安心安全」と業界ではまだ珍しいサロンでしたが、

 

近年どのサロンもオーガニックと言っています。

 

 

この決断が10年後に正しかったと証明したい。そのチャレンジです。

 

とは言えお金を頂くのはお客様、家計を圧迫すれば現状から見れば、僕の考えは受け入れ難い。

 

関東ならまだしも、福岡では1万円いただけるスタイリストは一握りでしょう、

 

自分自身を信じ、1万円の価値を感じてもらえるように、今後も努力してまいります。


 

ハサミの独り言でした!