下顎にインプラントを埋入

(と歯科業界では慣用的に言っておりますが 

要するに埋め込むこと)する場合に【注意すること】

と云うと 歯科医が『患者さんが注意すること』を

云々することは多いのですが 

歯科医は何を注意してインプラントを埋入しているのでしょうか?

 

歯槽骨はその表面にある密度の高い骨(皮質骨)が

内側にある密度の低い骨(海綿骨)を包んでいます

このうち海綿骨部分に神経の束(下歯槽神経)が

走行している場所(下歯槽管)があります

この下歯槽神経を侵害しないように埋めるのですが

①海綿骨内組織のド真ん中! に入れます

 

また インプラントは螺子のような構造になっていますが

②このらせん状にネジ切った部分は完全に骨内に入れます

 

更に 歯牙(歯根)は必ずしも理想的な位置に生えていたわけではないのですが

③理想的な位置・角度で入れます

 

いつもいつも理想的な位置に理想的な厚みの骨があるわけではありません

しかし 〇井さんのケースでは

とても理想的な埋入スペース・骨形態・骨量・骨密度がありました

本人(私のこと)も惚れ惚れするようなオペが出来ました

 

〇井さん(64歳)は左下7番の急性歯根膜炎がキッカケで来院しました

まぁ 根管治療(特に大臼歯)した後の数年後(多くは2年以内)の再発は

とても多く大臼歯では70%を軽く上回ります

(これに関しては またの機会に記します)

 

左下の5番・6番にインプラントを入れました

☟左下5番に焦点を当てたCT画像

☟矢状断(歯槽骨の断面)

☟左下6番に焦点を当てたCT画像

☟矢状断(歯槽骨の断面)

左下6番は(歯根破折のため)抜歯してから3か月なので

頬側の歯槽骨はまだうっすらとしか戻って来ていませんが

被せ物を装着する半年後にはほぼ元通りの骨密度になって来ます