昨年(令和5年)10月中旬

52歳の女性からメールで治療相談を受けました

数回やり取りした後 line上で話を続けました

 

「都内まで歯医者に通うのは無理なので…」

「治療回数は少ないですよ 歯科医院に行ったら

全体のレントゲン写真を携帯で撮影して来て下さい 

それを見たら診断と治療計画が立てられますから」

「でも… 『先生』に失礼になりますから…」

「何が失礼なんですか?」

「いま掛かっている『先生』に(失礼)ということです」

「あのね 失礼とか失礼じゃないとかいう話じゃないでしょ

現実問題として その歯医者に数年掛かっているのに

『大好きな焼肉が食べられない』わけですよね?」

「・・・・・・」

「更には『左上前歯が揺れていて噛むと痛い』んですよね?」

「ええ…」

「あのねぇ 貴女が今までに行った歯医者とは違いますから

騙されたと思って 私のところに来てみて下さい

絶対に焼肉が食べられるようにしてあげますから」

 

この患者さんに一日でも早く会ってみたかったので

「今夜いかがでしょうか?」

「えっ これからですか?」

「ええ 初回は審査だけですから 時間は取らせません」

 

そして その晩 20時頃に来院しました

重度歯周病であることは一目瞭然でした

 

全顎的に 繊維性歯肉炎で 一部の歯肉は増殖しており

歯周ポケットが深く 殆んどの歯が揺れている状態でした

右下大臼歯は欠損し 左下ブリッジ脱落したまま

下顎前歯は叢生(乱杭歯)と云い 重なり合っていました

上顎では左右に 動揺しているものの

辛うじて咬合には耐えられるかも知れない6歳臼歯

右上に残根(抜歯を待つだけの歯)状態の小臼歯1本

上顎前歯は程度の差はあるものの全ての歯が動揺していました