銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

こんな記事がありました

 

Yahoo!ニュース

 

大本の記事

 

 

この本の内容を抜粋し、編集した内容のようです

 
 
記事の中で気になる文言が、、、
 
がんの患者さんの半数は貧血を示します。これは、がんによって体内に貯蔵された鉄をうまく利用できなくなるために赤血球の寿命が短くなったり、赤血球をつくれと命令するエリスロポエチンというホルモンが、がんによって起こる炎症の影響で減ってしまったりするからです。
 
 
がん患者の半数が貧血??
 
そんなにいるかなぁ
 
早期がんだったら、貧血になることはまず無い思うけど、、、
 
と思って海外の論文を調べたら、「がん患者の貧血の割合は30-90%で、がんの種類やステージによって異なる」とありました
 
さすがに90%は無いし、せいぜい30%くらいかな、、、と思います
 
 
日本のデータを調べてみると、”化学療法実施中の患者”に限定したデータですが、結構な割合で貧血が見られていました
 
早期がんなど化学療法をしないレベルの患者でのデータは不明ですが、半数に貧血が見られるというのは言いすぎじゃないかな、、、でも、基準を12g/dlとかにすれば半数くらいはいるのかもしれません
 
結論:基準がはっきりしていないデータばかりなので、真偽は不明
 
とは言っても、普通に生活していて(生理不順などを除いて)貧血になることはないので、貧血を見たら何かしらの病気があると疑わなければなりません
 
 
がん患者が貧血になる原因として
 
①がんからの出血
 
②がんの骨髄浸潤による赤血球産生低下
 
③がんの炎症による赤血球産生低下
 
④栄養状態の低下
 
⑤がん治療の副作用
 
などあります
 
 
①の出血は分かりやすいと思います
 
②は、骨転移や骨髄転移などがある場合に見られます
 
③がんの炎症は様々な影響を及ぼします
 
がんが鉄分を消費したり鉄分の取り込みがうまくいかなくしたりすることで貧血になります
 
また、赤血球を作るのに必要なビタミンも炎症で消費されます
 
④食事量が減ると、赤血球の原料となる鉄やビタミン6・12、亜鉛、葉酸、銅などの栄養素が不足するため、貧血になります
 
⑤については、もともと貧血がない患者さんで抗がん剤で40%、放射線治療で20%の人が貧血になると言われています
 
抗がん剤による貧血は、骨髄の造血幹細胞がダメージを受けて新しい赤血球が作られなくなることで起こります
 
一つの原因で起こるというよりは、これらの要因が複合的に絡み合ってがん患者さんは貧血になります
 
 
貧血の一番の問題は、動悸や息切れなどの生活の質を下げるような症状が起こることです
 
ただ、その他にも、貧血によって腫瘍内が低酸素化が悪化し、放射線治療や抗がん剤治療の効果が下がると言われています
 
ですから、貧血はなんとか改善したいです
 
 
軽い場合には鉄剤などで様子を見ることもありますが、やはり輸血以外に有効な方法がありません
(海外では赤血球の造血注射も行います)
 
 
抗がん剤治療の副作用で貧血が見られた場合、輸血の基準となるのは、
 
・Hb 7g/dlを下回る場合
 
・肺の病気などで酸素化が障害されている場合は、7g/dl以上も適応
 
となっています
 
 
7g/dlを下回っても自覚症状がなければ粘る医師もいますが、がん治療中の人は貧血は早めに改善しておきたいですね
 
 
 
 

 

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