銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
珍しいがんの話を
胎盤から何で??
って感じですよね
胎盤からできるというイメージが付きにくいと思うので、こちらのサイトと図を参考にするとよいDesu
受精卵からできた胎盤は、子宮の中に足(絨毛)を延ばす能力をもともと持っています
正常妊娠で一部残った胎盤や、異常妊娠の胞状奇胎(ほうじょうきたい)の残ったものが、胎盤の絨毛を延ばす能力を使って子宮の筋肉まで浸潤する、これを侵入奇胎(しんにゅうきたい)と言います
そのうちの一部が悪性化し、絨毛がんと呼ばれるようになります
絨毛がんのやっかいなところは、正常妊娠でもなりうるため、出産後気付かれないまま進行してしまうことです
絨毛がんの元となる妊娠形態は以下のような感じで
・正常妊娠 50%
・流産 35%
・胞状奇胎 15%
まさか、正常妊娠や流産の後にがんになるとは想像しませんよね、、、
絨毛がんはめちゃくちゃ稀ながんで、1年で20-30人ほどしか新規患者がいません
ちなみに、今回は説明を端折りましたが、絨毛がんの仲間の類上皮性トロホブラスト腫瘍(ETT)は、全国で年に1人もいないというレアさです
絨毛がんに特徴的な症状は、不正出血です
産後に不正出血が起こるのは、たまに見られますが、長く続く場合や量が多い場合には、侵入奇胎や絨毛がんを疑います
また、絨毛がんは早期から転移を起こしやすいので、肺転移による症状(咳、喀血、胸痛、血痰など)、肝転移による腹痛、脳転移による症状(頭痛、麻痺、意識障害、けいれん)など、転移先の症状が見られます
もし転移していても、抗がん剤がかなり効くので、転移があっても5年生存率は90%以上と高い値になっています
こんながんもあるんだ
くらいに頭の片隅に入れておくと、家族や知人に万が一絨毛がんが起こっても、気付いてあげられるかもしれません
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