銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

こちらの続きです

 

 

 

まず、セカンド・オピニオンのルールのお話から

 

以下の場合には、セカンド・オピニオンは不可となります

 

①患者さん本人と家族以外からの相談

…内縁の家族や親戚は大丈夫なのか??

 

②ご本人の相談同意書を持っていない場合

(ただしご本人が18歳未満の場合を除く)

…本人に内緒で家族がセカンド・オピニオンを受けることはNGです

 

③主治医がセカンド・オピニオンを受けることを認めていない場合

…そういうことはないと思いたいですが、、、

 

④転院や継続治療希望のセカンド・オピニオン

…セカンド・オピニオンあくまでも意見を聞くだけで、その後も主治医のもとで治療を受けることが前提です。もし、転院を希望される場合には、主治医と相談して、改めて診療予約を取る必要となります

 

⑤主治医に対する不満や医療過誤、訴訟の相談

…たまにあるのが、医療ミスや過去~現在における治療の妥当性についての相談です。これはNGです

 

⑥死亡した患者さんの相談

…セカンド・オピニオンは、他の医師の意見を参考にしながら、主治医との治療方針を決めるための仕組みです。すでに亡くなった方に関しては受け付けません

 

 

このルールに従うと、現在の主治医の治療方針に納得いっていないという理由でセカンド・オピニオンを受けることは難しいです

 

また、セカンド・オピニオン先も、(現在の治療方針があまりにもおかしい場合は別ですが)現主治医の治療方針については、まず口出しません

 

・標準治療についての説明

・受けられる治験の有無

・現主治医の元で治療を継続して

 

これで終了となります

 

がん専門病院や大学病院なら、何か新しい治療法が見つかるのではないか?という期待を持ってセカンド・オピニオンを受けたら、間違いなく後悔します

 

治療ガイドラインが整備された現在では、治験以外の新しい情報が得られることはまずはありません

 

良かった!今の主治医の治療方針は間違っていなかった

安心して今の病院、主治医の元で治療を継続するぞ!

 

というのが、セカンド・オピニオンのあるべき姿だとされていますが、そんな患者さんはほとんどいません…

 

がんセンターでも治らないと言われたから、仕方ない、諦めて緩和に行くか…というケースが多いです

 

 

じゃあ、何のためにセカンド・オピニオンを受けるんだ?

セカンド・オピニオンの恩恵を受ける人なんているのか?

 

って、思ったあなた!

恩恵を受ける人はいます! たまにですが

 

 

セカンド・オピニオンの恩恵を受けるのはこんな場合です

 

・診断が間違っている

…肺の感染症だと思って内科で治療していたが全然良くならず、肺の感染症の症例が多い病院にセカンド・オピニオンに行ったら、放射線科の読影で感染ではなく肺がんを疑われたとか、経験豊富な病院や別の診療科の目で見ることで診断が付くことがあります

 

・希少がん

…希少がんの治療経験がある医師が少ないので、国立がんセンターなど全国から症例が集まる病院や、そのがんで有名な医師のところにセカンド・オピニオンに行くのは有用な場合が多いです

 

・原発不明がん

…画像や病理検査で原発が不明となっているがんで、外科系の医師(外科、産婦人科、泌尿器科など)や内科医だけでは診断と治療方針に難渋します。原発不明がんの経験が多い病院でセカンド・オピニオンを求めることで、原発が見つかることがあります。

 

・特殊な治療法を受けたい

…膵臓がんのナノナイフ、腹膜播種の手術、肺転移のラジオ波、がんのカテーテル治療など、(エビデンスは足りないけど)どうしてもその治療を受けたいという場合には、まずはセカンド・オピニオンをオススメします

 

膵臓がん患者さんの特殊な治療などの相談を受けている、ハマリョウさんのコメント

 

まあ、、、がんセンターとがん研有明は、標準治療以外のオプションを提示されることは絶対にないですからね、、、

 

 

上記のシチュエーション以外では、セカンド・オピニオンのメリットはほとんどないかな…

 

 

 

最後に…

 

セカンド・オピニオンを行うことで一番重要なことは、主治医とのコミュニケーションだと思います

 

患者自身が病気について勉強し、主治医と治療方針についてよく話をするなどコミュニケーションが取れていれば、セカンド・オピニオンもスムーズにいきますし、その後元の病院に戻ってきても関係が悪くなることはまずありません

 

 

昨日のブログに付いたコメント

 

 

患者力!!

 

いつか、患者力を高める方法について書きますね

 

 

 

 

 

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