銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
先週発売の文藝春秋
世界最高のがん治療
という特集が組まれていました
その内容です
アンチ自由診療のジャーナリストが
免疫療法の批判記事を書いた横で
エビデンスのないアルカリ化食が
最高の治療として紹介されとる!!
と、アンチ自由診療の医者たちが
(SNSでしか有名でない医者です)
ワーワー騒いでいます
彼らが猛烈に批判している
アルカリ化食の記事
「がん」「アルカリ性」の関係は
がんの周囲は酸性の環境なので
体内をアルカリ性にすると
がんが増殖できなくなり死滅する
という理論を提唱し
治療を行っている医師たちがいます
彼らのアルカリ化の方法は
重曹(炭酸水素ナトリウム)を使います
え?
重曹ってあの…?
そう、お掃除などに使うあの重曹です
そんなの飲んで大丈夫なの…?
致死量(命に関わる量)は
4.3g/㎏と言われているので
体重50㎏で200gがリミットです
200gを一気飲みできる人は
なかなかいないと思いますが…
どれくらい飲めばがんが治るの?
知りません…
過去に重曹を飲んでいた患者さんや
子宮頚がんで重曹水を経腟投与したり
肛門から重曹水を入れていた患者さん
何人か診たことありますけど
誰一人として良くなってませんでした
やっぱり点滴が一番効くはず
とこの本に感化された患者さんが
重曹点滴を希望されたことがあり
重曹点滴もやったことありますが
やっぱり良くなりませんでした
<重曹点滴>
昭和30年代に行われていた治療法
メイロンという点滴薬を使う
個人的には過去の経験から
重曹治療は効かない
と思っています
*個人の感想です
そもそも
体内は酸性でもアルカリ性でもなく
中性なるよう保たれています
多少重曹を飲んだからと言って
体内は中性のままで変わりません
体内がアルカリ性になったら
死の危険があります、マジです
そういう意味でも、
重曹治療は否定派です
と、ここまでは標準治療主義者の
SNS医(SNSでしか有名じゃない医師)
たちと同じですが
だからと言って
アルカリ化理論を全否定する
という訳ではありません
こんな臨床試験が行われています
再発・進行性の膵臓がんに対して
TS-1 or GEM(ゲムシタビン)
VS
アルカリ化剤+TS-1 or GEM
を比較した第2相試験
アルカリ化剤を用いることで
膵がん周辺の酸性環境を中性化し
抗がん剤の効きを良くしたり
転移を抑制したりする
可能性があるという治験です
もし、これで良い結果が出たら
アルカリ化なんてインチキだ!
と騒いでいる医師たちは
なんと釈明するのでしょう??
余談ですが
がん治療のことで
「最高」「エセ」「インチキ」
などの言葉を多用する人は
過激派みたいで超苦手です