銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。


 

前立腺がんの初期治療法は

大きく2つに分かれます

 

・転移がなく局所だけの場合

・転移がある場合

 

 

早期で顔つきの良い前立腺がんの場合

命に関わるリスクが低いと判断し
無治療根治を目指さない治療

行われることがあります

 

 

命に関わるリスクが低い前立腺がん

と判断される、例えば

・高齢者

・PSA ≦ 10ng/mL

・前立腺内部にとどまる

・生検での陽性≦2/12本

・Gleason スコア≦6

などの場合は

監視療法が行われることがあります

 

監視療法とは

 

無治療で定期的に検査を行い

病状に進展や増悪の兆候がある時点で

根治治療への移行を目的とした治療法

治療と言っていいのか…??)

です

 

PSA検診が普及したことで

早期で見つかるようになりましたが

一生治療しなくてよいケースまで

見つけてしまうことがあります


放置しておいても良かったがんで

不必要な治療を行ったことで

手術や放射線治療の合併症が残る

ということを避けるために

監視療法というのが生まれました

 

具体的には

3〜6カ月毎の直腸診とPSA 検査

1〜3年毎の前立腺生検

を行い、進行が見られた時点で

治療に移行するというものです

 

不要な治療を避けることができる反面

がんと分かっていながらも治療をしない

ということが精神的な負担となるので

こころのケアも重要となってきます

 

 

 

 

次に、

Focal therapy(フォーカルセラピー)

 

うわ、横文字だ…

って苦手意識が出る人がいるので

部分治療という日本語で話します

 

部分治療は(根治を目指さない)治療と

前立腺機能温存の両立を目指した

新しい概念の治療法です

 

無治療と根治治療の中間の存在で

部分治療で根治できることもあれば

できないこともあるという感じでしょうか

 

乳がんの病巣のみ切除する部分切除や

腎がんの病巣のみ切除する部分切除と

同じような治療と言えるかもしれません

 

 

部分治療の以下のようなものがあります

 

①小線源治療

 

2003年から保険適応のなっており

比較的歴史の長い治療です

 

放射線を出す細長い棒(1×5mm)を

前立腺の中に埋め込むことで

がんを死滅させるという方法です

 

こちらのサイトが分かりやすいです

 

 

 

②HIFU(ハイフ)

(高密度焦点式超音波療法)

 

虫眼鏡で太陽光を集めるイメージで

超音波を集めて熱(100℃近く)で

がんを死滅させる方法です

 

 

保険適応外の治療法で

現在先進医療Bで行われています

 

 

 

③凍結療法

 

がん細胞をマイナス40℃に凍結して

死滅させるという方法です

 

こちらも保険適応外の治療法で

臨床試験として行われています

 

 

 

 

④マイクロ波凝固治療

 

マイクロ波をがんの部分に照射し

1時間ほどかけて50-60℃に加熱し

がん細胞を壊死させる方法です

 

日本で3施設しか行っていないようです

 

 

 

次回は

転移のない前立腺がん(中~高リスク)

の初期治療について

 

 

★当院「銀座みやこクリニック」のホームページ”もぜひご覧ください★