銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。


 

食道がんシリーズの追加です

 

 

食道がんと診断された人の多くは

重粒子線治療や陽子線治療を受けたい

と考えるようです

 

確かに体への負担は少ないし

選択肢に入れたくはなります

 

 

食道がんの手術ってかなり大掛かりで

体への負担も少なくないですからね

 

国立がんセンターが作成した

からだにやさしい食道がん手術

というYoutube動画があります

 

こんなに機械入れて

胃を作り直して食道にして

絶対体に優しくないわ!

 

って

たぶん多くの人が思うんですよね

 

医師側からみた『やさしい』と

患者が思う『やさしい』は全然違うので…

 

 

まあ、こんな大手術をするよりは

重粒子線の方が体の負担が少なくて

絶対良いに決まっているのですが

 

長い治療の歴史の中で

食道がんに放射線治療だけでは

根治は難しいことが分かっています

 

ただ、ステージ1の場合だけ

手術をするよりも予後が良い

かもしれない可能性があり

 

現在、先進医療で

ステージ1の食道がんに対して

重粒子線・陽子線治療による根治照射

が行われています

 

 

ステージ2、3の食道がんの場合には

標準治療は

術前抗がん剤(±放射線)→根治手術

となっています

 

食道がんは進行すると

・同じ食道内に多発する

・リンパ節転移が多い

という傾向があるため

食道がんの部分にだけ照射しても

あまり意味がないとされています

 

ですから

全身療法である抗がん剤治療が

必須となっているのです

 

ただ、放射線単独治療と比べて

抗がん剤+放射線治療の場合には

・白血球減少

・悪心などの消化器症状

・心毒性

・肺毒性

などの副作用が強く出るので

体への負担は少なくありません

 

 

ステージ2、3でもどうしても

重粒子線・陽子線治療がしたい

という場合には

現在臨床試験が行われているので

問い合わせしてみてください

 

 

CF療法(シスプラチン+5-FU)

 +

重粒子線・陽子線治療

 ↓

根治手術

 

ただ、この場合でも手術は必須です

 

 

まとめます

 

食道がんに対して
重粒子線・陽子線治療で治療したい

抗がん剤や手術はしたくない

 

というのは

ステージ1以外は難しいです

 

ステージ1は根治可能とは言っても

先進医療でしか行えないので…

がん保険の特約に入っていない限りは

ちょっと難しいと思います

 

 

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