銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
前回の続きです
卵巣がんは子宮頚・体がんと比較して
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が
効きにくい
という特徴があります
マイクロサテライト不安定性(MSI)が
高頻度(MSI-H)の固形がんでは
通常キイトルーダが奏功します
卵巣がんの場合もしかりで
奏効率は33%と他の治療薬に比べれば
若干高いのですが
(卵巣がんの化学療法の奏効率は
プラチナ・タキサン系以外は20%以下です)
無増悪生存期間は2か月ほどです。。。
マイクロサテライト不安定については
一般の人に分かりやすく説明するのは
非常に困難なのですが
まだ分かりやすい方かなー
というサイトがあったので参照に
https://gan-genome.jp/treat/msi-high.html
ただ、全く効かないわけではなく
完全奏功して5年経っても再発がない
という患者さんもいます
効く人は、めちゃくちゃ効くし長く効く
というのが免疫療法の特徴です
このブログの方も卵巣がんのMSI-Hで
キイトルーダが効いているようです
他のICIも良い成績は出ていません
そんな中で新しい薬剤が
いろいろな組織型がある中で
漿液性がんは一番数が多く(36%)
進行は早いが抗がん剤が効きやすい
という特徴があります
この漿液性がんの中でも
高グレード(高悪性度)(90%)
進行が早く、抗がん剤が効きやすい
低グレード(低悪性度)(10%)
進行は遅いが抗がん剤が効きにくい
という2種類に分かれます
低グレードのタイプが再発すると
抗がん剤が効きにくいため
治療に非常に難渋します
しかし、MEK阻害薬メネキストは
そんな低グレードで効果を発揮し
これまでの治療方針を大きく変える
薬剤となりそうです
他にも期待される新薬があるのですが
続きは次回に
★当院「銀座みやこクリニック」のホームページ”もぜひご覧ください★