銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
先日ある雑誌にこんな記事が出て
SNS界で炎上していました
記事冒頭より
炭水化物は糖質と呼ばれるように、体内で糖(ブドウ糖)に変換された後、正常細胞のエネルギー源として使われます。ところが、がん細胞もまたブドウ糖をエネルギー源としており、正常細胞の約40倍にも上る数のブドウ糖輸送器を使って、とりわけ必要量を超えて変換されたブドウ糖を次々と取り込みます。
そこで、必要量を超える量の炭水化物を摂取しないこと、すなわち炭水化物の摂取量を控えめにすることが、まず重要になってきます。加えて、血糖値を急激に上昇させるような摂取の仕方をしない、という点にも留意が必要です。血糖値が急激に上昇している状態は、まさにブドウ糖が必要量を超えている状態そのものだからです。
したがって、炭水化物を摂取する場合は、体内で一気にブドウ糖に変化する白米、一般的な小麦粉を使用したパンや麺などをできるだけ避け、例えば白米の代わりに玄米、一般的な小麦粉を使用したパンの代わりに全粒粉パンを選ぶなど、グリセミックインデックス(食後血糖値の上昇度を示す指数)の低い食品を摂取するといいでしょう。
プレジデント社はタイトルを過激にして
わざと目立つよう煽っていますが
内容はそんなに悪くなさそう
こういう記事はエビデンス至上主義者の
大好物ですから食いつきますよね、毎回
目立ちたがりが活躍の場を探しているだけなのかも…
皆、SNSでは有名な医師たちです
(リアル臨床では知名度はほぼ…無い苦笑)
まあ、記事を読んで
ん…と思うところもありますが
この方のような気持ちです
「デマ」とか「エセ」というワードを使い
「患者のため」という大義名分で
頭ごなしに否定するのが彼らの仕事です
まあ、この辺りの文章は言い過ぎだし
ちょっと無理があるかなと思いますけど…
牛乳、バター、チーズなどの乳製品には、がん細胞の活動活性を上げるIGF-1(インスリン様成長因子)が多く含まれています。よく「体にいい」と言われているヨーグルトもその意味では例外ではなく酸性化食品なのです。チーズやバター、とりわけチーズの酸性化力は強烈です。
したがって、乳製品の生クリームがたっぷりと載った甘いチーズケーキなどは、がん細胞にIGF-1とブドウ糖を与え、かつ、がん細胞周辺の微細環境をがんが好む酸性に傾けるという点で、「最悪の食品」と言っていいでしょう。
私のこれまでの臨床経験から見ても、とくにがんにかかった女性の患者さんの場合は、「甘い洋菓子」などの甘味品を多食していたという傾向が顕著に見られます。
したがって、私のクリニックでは、このような食歴を持つ患者さんに対しては乳製品や甘味品の「即時摂取中止」を指導しています。実際、多くの患者さんが乳製品や甘味品の即時摂取中止をはじめとする食生活の見直しによって劇的寛解を得ているのです
私はがん患者の糖質制限に関しては
否定派でも賛成派でもありません
糖質制限だけでがんを治したい
糖質制限をするとストレスが大きい
という人がいれば止めますが
糖質制限と栄養療法をうまく使いながら
通常治療を進めていくのであれば
どうぞやってくださいと言います
糖質制限でがんが縮小するというのは
人間でのエビデンスはまだ無いですが
動物実験では効果が見られています
一応人間では、
末期がん患者に糖質制限を行うことで
QOL(生活の質)が向上した
という研究があります
がん細胞が生きるには糖質が必要で
糖質を制限することでがんは弱る
正常細胞は糖質を利用できない場合
糖質制限で生じるケトン体を利用し
生き延びることができるが
がん細胞はケトン体を利用できない
というのは間違いないのですが
糖質制限だけで全てのがんを制圧する
というのは少し無理があります
がんと糖質制限の論文を読んでいくと
・がんの種類
・生まれつき持っている代謝酵素
・腸内細菌
など、どうにもできない要因でも
糖質制限の効果が変わってくるようです
低炭水化物+高脂肪のケトン食を行うことで
癌の治療効果を調べる研究会もあります
(食品メーカーがタイアップはしていますが…)
癌ケトン食研究会
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kanpou/keto/
こんながん、こんな体質の人では
糖質制限が有効である
という研究結果が将来的に出れば
救われる人は多いでしょう
私も煽りタイトルにしちゃいましたが…
洋菓子好きががんになりやすいとか
甘い洋菓子で急速にがんが大きくなる
ということは決してありません
甘いものや好きなものをを我慢しすぎて
ストレスで免疫力が下がってしまったら
それも本末転倒かなと思います
あ、免疫療法の記事も書かないと…
○○でがんが治るとか
○○でがんが悪化するとか
がんってそんな単純なものではありません
無理のない範囲で自分の信じることをする
それが一番良いと思います
★当院「銀座みやこクリニック」のホームページ”もぜひご覧ください★