こんなニュースがありました
でも触れましたが、
膵臓がんは手術で悪化させる
可能性が高いがんの一つです
膵臓がんの手術はかなり難しく
手術による体の負担も大きい
また手術後の合併症も多い
膵臓がんは非常に再発しやすく
術後の抗がん剤ができるほどに
体力が回復したころには
たくさんの転移が見つかる
という、
手術して本当に良かったのか?
と外科医を悩ませるがんの一つです
従来の手術→抗がん剤治療では
うまくいかなかった膵臓がんに
新たなエビデンスが生まれました
それが術前化学療法と言って
手術前に抗がん剤治療を行い
その後に手術を行う方法です
術前化学療法のメリットは
・目に見えない転移を抑えておく
・腫瘍やリンパ節などを小さくさせ
手術による体への負担を減らす
というメリットがあります
術前化学療法は
乳がんではすでに行われています
膵臓がんの場合は進行が早く
抗がん剤治療を先行することによって
手術時期が先延ばしになるのが
不安になってしまいますが、
記事に中にもこうあるように
「すぐに手術をしなくて大丈夫なのでしょうか」。東北大学大学院の海野倫明教授(消化器外科)は大学病院を訪れる膵がんの患者から、よくこう聞かれる。手術の前に抗がん剤治療を約1カ月半する「術前化学療法」の説明を受け、「その間に悪化してしまうのでは」と心配になるためだ。
膵がんは難治性がんの代表格であり、多くの患者は不安でいっぱいだ。「とにかく手術を」と焦る人が多いという。海野教授は「術前化学療法によって、結果的によい成績が得られる」と丁寧に説明し、理解してもらうようにしている。
根拠となるのが、東北大などが2019年1月に発表した臨床試験結果だ。肝臓転移などがなく門脈や動脈に達していないなど、切除可能と判断された膵がんについて、術前化学療法の有効性が明らかになった。
切除可能な膵臓がんに限っては
術前化学療法を受けた方が
手術先行とした患者に比べ
平均生存期間が約10カ月長かった
2年生存率も10ポイント以上改善し
約50%→63.7%となった
また術前の治療によって、
死亡リスクは28%減少した
手術所見でリンパ節転移が減っていた
術後の肝臓の転移再発も少なかった
と良いことずくめでした
5年生存率の結果はまだですが
それも伸びるようなら
膵臓がんに関しては
抗がん剤を先行した方が良い
とガイドラインが変わります
ただ、
抗がん剤が効かない人もいて
その場合は手術が遅れるという
デメリットだけが残る
という問題点もあります
分子標的薬のように
この患者には抗がん剤が効きやすい
この患者には効きにくい
といったことが分かるようになれば
もっと道が広がるんですけどね…
なかなか難しいです