がん治療には、

「標準治療を基本とした保険診療」

「標準治療外の自由診療=補完代替医療」

があります。

 

世の中のほとんどの医師は保険診療を行っており、

自由診療の医師はごくわずかです。

 

保険診療を行っている医師は、

すでに保険適応になった治療以外

自分が見て聞いて行った治療以外は信じない傾向があります。

 

ですから、基本的に自由診療のことは理解してもらえません。

 

 

先日このようなニュースがありました。

 
 
遺伝子を組換えしたウイルス(G47Δ)を、
がん細胞に感染させることでがん細胞を死滅させる
遺伝子治療の一種です。
 
研究が始まった頃はほとんどの保険診療医から、
まゆつば物扱いをされていましたが、
今では再生医療等製品として認めらそうです。
 
脳腫瘍を診ることのない他の領域の医師に
「脳腫瘍を遺伝子組換えウイルスで治療できる」
という話をしても、おそらく
「ウイルスで治療だって?そんなバカな」
という答えが返ってくると思います。
 
フェーズ2でかなり高い効果がでているので、
先駆け審査によって早期承認の予定ですが、
医師によっては
「まだフェーズ2(第II相試験)の治療だからな
(フェーズ3で結果を出さないと信用できない)」
という返事が返ってくるかもしれません。
 
それくらい凝り固まった考え、保守的な医師が多いです。
実際、私が外科医だったころはこんな感じでしたし。
 
 
しかし、見方を変えれば、
新しいものに飛びつくことなく堅実な医療を行う
という安定感があるとも言えます。
 
それは良いことでもありますが、
その頑なさで患者さんと上手くいかなくなることもあります。
 
自分が認める医療以外は患者さんにさせないし、
患者さんが希望した場合は診療を拒否する
といったことが起きるケースも少なくありません。
 
 
膵臓がんで、標準治療と自由診療の併用することで
9年間生存している方がブログでこの問題について取り上げていました。
 
 
 
 
保険診療の医師が頑なになる理由として、
一部のずさんな自由診療もあるのですが、
それはまた次回に。