銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
これまで、自由診療で行われる免疫療法について書いてきました
でも
どの免疫療法がオススメか??
自分にはどの免疫療法が合っているのか??
と聞かると、分かりませんとしか答えられません
それは、どの免疫療法がその人に適切なのかを事前に判断する方法がないからです
一部の医療機関では、事前検査をして免疫の種類を選んでいますが、実際はそれも正確なものではありませんし、体内での反応はまた異なります
そんな免疫療法で、私が結局行きついたのは6種複合免疫療法です
詳細については、過去のブログでも書きました
コチラの図を見ると、1種類だけの免疫細胞だと、腫瘍内部までうまく攻撃できないということが分かります
コチラも
新培養法=6種複合免疫です
治療効果をまとめた図です
すごく良さそうな図ですが、見る際に注意しなければならないのは、
・1クール6回を最後までできた患者のデータである
・抗がん剤併用症例もある
・様々ながん種が含まれている
ということです
詳しく解説していきます
<1クール6回を最後までできた患者のデータである>
免疫療法を受けられる患者さんの半数以上は標準治療が終了した方で、余命宣告されている方も少なくありませんし、全身状態が良くない方が多いです
1クールの途中で状態がさらに悪化し、来院できなくなる患者さんもいます
そのような患者さんたちは治療効果が難しくて評価ができないため、上記のグラフには含まれていませんが、「無効(がんが大きくなった)」の患者さんはもっと多い可能性があります
<抗がん剤併用症例も含まれている>
上記のグラフには抗がん剤や放射線治療を併用した症例も含まれているので、純粋な免疫療法の評価ではないです
抗がん剤の効果も上乗せされているのはズルい!と言われることもありますが、抗がん剤を併用していると言っても三次治療以降の抗がん剤治療中の方が多く、その場合の奏効率は10%未満ですので、大きな上乗せ効果はありません
また、放射線治療の併用と言っても緩和照射が多いので、こちらはがんの治療効果にはほぼ影響しません
<様々ながん種が含まれている>
本来はがん種ごとのデータを示すのが理想なのですが、がん種ごとのデータを出している施設はほぼありません
ステージ4でも予後が比較的良い乳がんと膵臓がんでは、効果を示すグラフは大きく異なります
膵臓がんの場合は、6種複合免疫療法でがんが小さくなる割合は10%もないと思います
標準治療の抗がん剤でも奏効率20‐30%、奏功期間6か月くらいと厳しいがんなので、少しでも奏効率を上げたり奏功期間を延ばしたりする目的で免疫療法を併用する感じになります
もちろんその中でも劇的に小さくなる患者さんもかなり少ないながらもいます
上記は、他の免疫療法でも同じような感じなのですが、6種複合免疫療法には他にはないメリットがあります
①価格が比較的安い
1クール6回で約200万円かかるのですが、中には300万円以上かかる免疫療法もあり、比較的安い方だと思います
また、一度にすべてリンパ球を採取するのではなく、1回の治療ごとに1回採血を行い培養していくため、費用はその都度(30万ちょっと)発生します
免疫療法の多くは、1クール分の血液採取をまとめて行い、初回に1クール分の費用を支払いする上に、もし途中で止めても費用は返ってきません
6種複合免疫療法は都度払いなので、その時の血液採取分までしか費用が発生せず、もし途中で状態が悪化して通院できなくなった場合などは、それ以上の費用はかからないです
②副作用が軽い
免疫療法は抗がん剤と比べて副作用が軽いのですが、そんな免疫療法中でも6種複合免疫療法は副作用が軽い方だと思います
その理由は、6種類の免疫細胞がバランスよく培養、活性化されているからなのかもしれません
免疫療法の中には必ずインフルエンザ様の高熱や悪寒などの副作用が起こるものもありますが、それはサイトカインが免疫細胞点滴の中に入っていて、高熱を起こさせるためです
元気な患者さんなら良いですが、全身状態が良くない患者さんにこの副作用はかなり厳しくて、逆に体調が悪化したり続けられなかったりすることもあります
③いろいろな免疫療法のいいとこどり
6種複合免疫療法は、がんワクチン療法、NK細胞療法、NKT細胞療法、γδT細胞療法をMixしたような治療です
細胞が6種類ある分、それぞれの細胞数は少なく攻撃力は低いですが、1種類だけの免疫療法を行うより、当たる確率は上がります
結論:治療効果はまずまずだが、他の免疫療法にはないメリットがあり、患者さんに勧めやすい
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