銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
なんか、さらっと衝撃的なニュースが、、、
再発リスクが高いとされる「ステージ1」相当の膀胱がんにおいて、今後の治療の考え方に一石を投じる研究結果が発表されました。
国立がん研究センターや富山大学などの研究グループが発表した内容によると、がんが粘膜下層まで広がる「T1膀胱がん」の患者さんに対し、手術後の追加治療として行われる「BCG(結核予防ワクチン)の膀胱内注入」を行わなかった場合でも、5年生存率に大きな差がなかったことが明らかになりました。
BCG治療の現状と課題
現在、T1膀胱がんの治療では、内視鏡手術(TUR-BT)で腫瘍を切除した後、再発や進行を抑えるためにBCGを膀胱内に注入するのが一般的な標準治療とされています。
しかし、BCG注入には課題もあります。
頻尿や排尿痛、血尿といった副作用が起こりやすく、また週に一度の通院を数週間続ける必要があるため、患者さんにとって身体的・時間的な負担が小さくありません。
研究の結果:生存率に差は見られず
今回の研究では、2011年から2018年にかけて、内視鏡手術後にがん組織が残っていないことが確認された患者さん約260人を対象に、以下の2つのグループを比較しました。
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(1) BCGを週1回、計8回注入したグループ(133人)
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(2) 追加治療を行わず、経過観察のみとしたグループ(130人)
その結果、5年経過した時点での生存率は、BCG注入グループが81.8パーセントだったのに対し、経過観察グループは86.5パーセントでした。
統計的に生存率に差がないだけでなく、数値上は経過観察グループの方がわずかに高いという結果になっています。
また、排尿痛や血尿といった副作用についても、当然ながら治療を行わない経過観察グループの方が少ない傾向にありました。
今後の治療選択への影響
今回の研究成果は、手術でがんをしっかり取り切ることができている(残存腫瘍がない)場合に限られますが、必ずしも全員にBCG注入が必要ではない可能性を示唆しています。
もちろん、BCGには「再発」を防ぐ効果があることはこれまでの研究で知られていますが、一方で「生存率」という観点で見れば、副作用や通院負担を考慮して「あえて何もしない(経過観察)」という選択肢が、新たな標準として定着していくかもしれません。
医療は常に進歩しており、これまでの「当たり前」が見直される時期に来ています。
過去には、こんなブログも書きました。
画一的な治療ではなく、患者さん一人ひとりの状態や生活の質(QOL)に合わせた「最適な治療」ができるようになることが理想だと思います。
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