正直なところ高校二年生が一番勉強していなかった。
通っていた高校には歴史に裏付けされた数々の伝説がある。
例えば高校を卒業するには四年かかるとか(浪人のため)、修学旅行の最中で学年内におけるカップル数の値が最大値をとるとか。
そんな中でも有名なのが高校二年生の修学旅行で偏差値が最小値をとるというものだ。
その学校伝説の予言と一致する運命であったかのように自分の成績は過去最悪だった。
でも当時の自分としてはそんなもの全く気にしていなかった。
勉強よりも何よりも大切な存在があったからである。
勘がいい人なら気付くだろう。
高校二年生×修学旅行、そう恋人がいた。
高校二年生、つまり17歳の男子高校生なんて彼女がいたらそのことしか考えられなくなる。
勉強は全くしなかった。それでもいいと思っていた。
彼女がいる。その事実だけで幸せなのだ。
また、部活の友達とも仲良くなりクラスの友達にも恵まれた。
彼女がいて、高校も楽しく、部活も楽しかったら勉強なんてするわけない。
人間の思考が可視化できるとするならば、当時の僕の脳内は大抵の時間彼女が占める割合が多かった。
それくらい好きだった。