「もう…、ジェジュン…。
なに、歌ってほしいのー?」
「う~~ん~~、例えば~~、ハニバニとかぁ~♡」
「・・・・」
ジェジュンを抱きしめた格好でピタリと動かなくなると、
しばらく黙って考えていたユノが、
「ハァーーー!」と息を吐くと降参したように言った。
「だめだ、ジェジュン…。
歌おうとしたけど、踊らずには歌えない…。」
「え~~!
踊ってくれていいけど~。」
「ベッドの中でか?!」
「うん♡」
「あはははは!
こ~んな感じで?」
ユノが、頭の後ろに右手を当て、腰を大きく前後に揺らしてみせる。
「そう、そう!
あっはははは~♡」
ユノの太腿に挟まれた状態で一緒に身体を揺らされながら、
ジェジュンが嬉しそうに笑い出す。
「ジェジュン、ベッドの中じゃ、無理だって~!」
そう言って、ユノは、クスクス笑い続けるジェジュンを両腕で抱きしめ、
ジェジュンの白い首筋に唇を這わせた。
「うふふふ~~、ユノ~~♡」
ジェジュンも、ユノを抱きしめ返す。
ジェジュンの首筋にキスしたユノが、尖った鼻と唇を擦り付けながら、
首すじを這い上がるように顔を上げていき、ジェジュンの耳元で囁くように歌い出した。
「Honey Funny Bunny
首筋を這うくちびる~♪」
「あ、日本語!」
「そう、日本語の方が、やらしいから。
~♪Honey Funny Bunny
逃げられないよ 僕のキスから~~♪
Wow Wow Wow WoW~~♪
フフフフ~、ジェジュ~ン。CHU♡」
ジェジュンの白い首筋をユノがペロリと舐め上げ、
音を立てて頬にキスをする。
目蓋にも、鼻の頭にもキスの雨を降らす。
「あっは~っ♡
も~う、ゆの~~♡」
首を振って悶えながら、ジェジュンは嬉しくて笑いが止まらない。
へらへらと笑う唇にもCHU!とキスされ、吸い返して応えるうちに
口づけがしだいに深くなっていく。
夢中になってくると、笑い声は消えキスの音だけが周囲に響いていた。
ひとしきりキスを交わしてから、
ゆっくりと唇を離すと閉じていた目蓋を開けた。
ジェジュンは、自分に笑い返すユノの顔を見つめた。
すぐに孤独な闇の中に迷い込みそうになるオレの目の前に、
いつも一筋の光りを差し込んでくれるユノ…。
ほら、今も…。
どっぷりと淋しさに飲み込まれて、不安に震えていたオレは、
もういない。
目の前のユノと見つめ合って笑い合っている。
オレを照らす暖かい光…
オレの…太陽…
オレのすべて。
幸せな気分のまま、ユノの腕の中で目を閉じれば、
28歳の最後の夜が終わる…、
そして、あした、ユノの腕の中で目を覚ませば、
29歳としての1日目が始まる…。
この先の誕生日も…、
ずっと…、
“光”と共にありますように…。
つづく
(画像はお借りしています)

