よろしく ダーリン。♥♥~
~Secret Romance in Palace~
「そうとも限りませんよ。」
わずかに流れた気まずい沈黙を破るように、
チャンミンが話し出した。
「確かに、インタビューなどで聞かれれば、
友好関係や外交問題にも影響を与えかねませんから、
問題のない範囲で、”友人だ”と言うことはありますけど、
学校の中まで、それをやる必要はありませんからね。
なんせ、ユンホが友達だと言わなくても、
勝手に、ユンホの友達だと自称してる“王族ながれ”の人もいるくらいですから、
そんなのいちいち相手にしていられませんよ。
ユンホが、自分から、“友達だ”と言うのなら、
それは、誰の否定しようもない友達なんです。
ちなみに、あなた達3人を、友人だと言っている
ユンホの言葉は聞いたことがありませんけどね。」
「なっ!」
チャンミンの言葉に、3人が目を見張る。
「チャンミン!
ユンホのいとこだからって、俺たちに対して失礼じゃないか。」
暗に、自分のことを揶揄されたと気づいたイルジョンが言い返した。
「そうですか?
僕は、あなた達と違って、正真正銘のユンホのいとこで、幼馴染ですから、
ユンホのことをどう言ってもいいんです。」
「待てよ。
ユンホ殿下のことを、チャンミンがどう言おうがかまわないさ。
だけど、このキム・ジェジュンとユンホ殿下が友人だと言うのは、
ウソなんじゃないか。
2人が話しているとこなんか今まで見たことないぞ。」
ジョンウンが険しい表情で言い返した。
「見たことがない?
たまたま、見たことがないだけでしょ。
誰かみたいに“仲良しだー”って騒ぎませんからね。
『今日、ユンホとどうしたこうした』とか自慢してまわるわけじゃなし。
僕は、しっかり見てますよ。
2人が、体育の時にじゃれてたところとか、他でも仲良くしているところ。
キム・ジェジュンは、ユンホの親戚ですから、当然、僕の親戚にもあたります。
それで、さっきも、来週の僕の誕生パーティーに呼ぼうと
ユンホと話していたところでした。」
「ユンホ殿下と親戚…」
「そんなバカな…」
「誕生パーティーに…?」
ぼう然とした3人が、思い思いに呟いた。
「そうです、親戚です。
大変シャイなキム・ジェジュンは、口にも態度にもだしませんし、
公表もしていませんけど、事実です。
いじめたりしないでくださいね。
物覚えのいい僕は、絶対忘れたりしませんから将来に影響しますよ。
さしあたっては、来週のパーティーでしょうか?
招待客リストの中に、なぜか3人の名前もあったような気がします。
今夜、見なおしてみなくてはいけませんね。」
「ちょ、ちょっと待てよ、チャンミン。
俺たち、キム・ジェジュンをいじめていた訳じゃないからな!
ちょっと、話しかけただけじゃないか!
チャンミンのパーティーの招待状もらったのは1か月以上前で、
今さら、ダメなんて言わないだろー。
両親だって喜んでるし、俺だって行きたいし。
こんな間際でキャンセルされたなんてなったら、
俺達、なんて噂されるか!」
「そ、そうだよ。
それに、俺も、パーティーのためにスーツ新調したし、
彼女だって誘ってるんだ。
今さら、困るよ~。」
「…騒ぐなよ。
…たかが、誕生日パーティーだろ。」
泣き言を言い出したイルジョンとジョングを見て、
いらいらしたようにジョンウンが吐き捨てるように言った。
「そうですよ。
たかだか、高校生の誕生日パーティーです。
そんな人生最後みたいに嘆くことじゃないですよ。
それに…、今から、招待客を見なおすなんて
確かにいろいろ迷惑をかけるようですし、
来年?そうですね、来年は、ちゃんと目を通すようにしましょう。」
「ああ~、よかった、チャンミン。
脅かすなよ~。
命が5年は縮んだ~。」
「本当に~!
良かった!これで彼女との面目が保てる~!」
ホッと安心して脱力する2人に、
不愉快そうな顔をしたジョンウンが声をかける。
「行くぞ、2人とも。」
言い終わらないうちに、背をむけ先に歩き出した。
「あ、ジョンウン、待てよ!」
イルジョンとジョングが慌てて後を追いかける。
残された3人、ジェジュン、チャンミン、ユンホは、
渡り廊下を早足で校舎側へ向かう3人の後姿を見送った。
つづく