よろしく ダーリン。♥♥~
~Secret Romance in Palace~
「なんだ?
用もないのに、こんなところに居たのか?
お前のような庶民には縁のないところだろ?
それとも、王族に友達でもいるのか?」
「ハハハハハ。
高等部編入組のこいつに王族の知り合いなんかいるもんか。
こいつは、ただの食堂の息子だぞ。それも、つぶれちまったな。」
「かわいそ~」と心にもないことを言いながら3人が同時に笑い出す。
ジェジュンは、奥歯をキュッと噛みしめた。
「何かあるから、わざわざ、朝からここに居たんだろ?
何なんだ?ああん!」
イルジョンが一歩近づいてジェジュンの顔を覗きこみ凄んでみせる。
ジェジュンは顔を横に背けると、一歩後ろに下がった。
「なんだ、こいつ、ビビってるのか~。
ハハハ、当然だな。
この学校にはそぐわない奴が、一番不似合いな場所で
ウロウロしているからだ。
どうせ、お前も、王立学校の名前にあこがれて、
身分もわきまえずに入ってきた口だろ。
少しばかり、見た目が良くったって、生まれがものを言うんだよ。」
「ちょっと、待てよ…。
確か、こいつ、ユンホ殿下の取りまきみたいなことしてなかったか。
女子どもがキャーキャー言ってる時に、一緒に居たところを見たことがある。」
「なんだ、こいつ、
男のくせに、ユンホ殿下のファンなのか?
見た目が女っぽいと、やることまでそうなるのか?
恐いな~。
俺じゃなくてよかった。
ユンホ殿下ほどの有名人になると大変だ。
いろんな輩が集まってくるからな~。
学校の中でも気が抜けない。
ま、芸能人と一緒で、王室も人気商売だから、
こんなやつでも、いないよりはいいのかもな。
な、だろ?」
キム・ジョンウンが、腕を組んで、
にやにや笑いながら、両サイドに立つ2人に目配せをする。
「そんなに、ユンホ殿下が好きなら、
俺達が合わせてやろうか?
いや、会わせるだけじゃなくて、告白できるようにしてやろうか。
どうだ、嬉しいだろ?
嬉しくて、泣きそうか?あん?」
3人が、にやにやと笑いながらジェジュンを取り囲んだ。
ジェジュンは、自分のことだけでなく、
ユンホのことまでバカにするような言い様に
ムッとしながら、3人を睨んだ。
「なんだ?
嬉しくて、言葉も出ないのか。」
「…もう、放っておいてください。」
ジェジュンは、やっと一言言い返した。
「放っておけるわけないだろ。
身分は低くいし、その上、貧しい家の9男坊のくせに、
報われない恋までしてるのを知って、
こんな親切なオレ達が、可哀そうで放っておけるわけないじゃないか。」
イ・ジョングのいかにも作ったような憐みのセリフを聞いた他の2人が
驚いたように反応する。
「え、こいつ9男なのか?!」
「貧乏人の子だくさんって、まさにこのことなんだな。
はぁ~~、理解できない、9人だなんて!
子供を作ること以外やることなかったのか?!
1人の教育だって大変なのに、放っておかれて育ったから、
こんな身の程知らずなことができるような奴に
なってしまったんだろうな。」
「ひどい…。」
ジェジュン、眉間をきつく寄せ、吐き出すように呟いた。
「ひどい?
“優しい”の間違いじゃないのか?
こんなに、“平民の”哀れなキム・ジェジュンのために
心を砕いてやってるんだ。
ユンホ殿下にも、直々に会わせてやろうって言ってるんだぞ。」
ジョンウンがにやりと笑う。
つづく