よろしく ダーリン。♥♥~
~Secret Romance in Palace~
ユンホは、一重の目を大きく見開いてチャンミンの顔を見た。
ごくっと唾をのみ込むと、何げなさを装って聞いた。
「なんで、
ここで、キム・ジェジュンの名前が出るんだ?」
「そのお弁当の中身、彼のと一緒じゃないですか。」
「・・・!?」
「さっき、教室出る時に、彼のお弁当を見たんですよ。
朝、彼と話しているユンホが手にお弁当袋なんて持っていたから、
ちょっと気になって見てみたんですよ。
まさか、こんな展開とは思っていませんでしたけど。
…もしかして、付き合ってるんですか?」
「付き合ってんかいるもんか!
男だぞ、あいつは!」
「あやしいですね…。
むきに否定すると、肯定しているようなものですよ。」
「・・・・」
ユンホは、言葉が返せなくなった。
「…あ、
…もしかして、彼、花嫁候補ですか?」
「・・・・」
「ああ、なるほど~。」
トンと手を打つチャンミン。
チャンミンは、自分の勘の良さに
思わず悦に入ってしまいそうだった。
「これで、納得しました。
なんで、ユンホがキム・ジェジュンと2人きりで
あんなところで話しているのかと不思議に思ったんですけど…。
そうでしたか。」
「一人で納得するなよ。
なんで、そう思うんだ?
第一、花嫁候補って何だよ?」
「しらばっくれなくても、わかってますよ。
僕も王家の人間ですからね。
直系一族の過酷な伝統とか知っています。
良かったですよ、直系に生まれなくて。
男と結婚なんて、僕にはナンセンスですね。」
「家訓のことを知ってるのは不思議じゃない。
だけど、なんで、キム・ジェジュンだと思ったんだ?」
「僕にも、来たからですよ。
ユンホの花嫁候補の知らせが。」
「えーー!!」
「もちろん、すぐに断りました。
そのことから、考えると、そろそろ候補が決まっても
おかしくない時期なんですよね。
一昨日、誕生日だったでしょ。18歳の。
朝のあの光景。
美少年のキム・ジェジュン。
手作りのお弁当。
ちょっと考えればわかるでしょ。
あ、このキムパッ(海苔巻き)いただきます。」
そう言って、ユンホのお弁当から、
さっと、キムパッを奪い取るチャンミン。
「でも、キム・ジェジュンって、
1年の時は、冴えなかったですよね。
全然目立てなかったし、
そんなに美少年って印象なかったんですけどね。
ああ、そうか、そう言えば、メガネもかけてましたね。
この半年くらいで、急に美少年になっちゃった感じですね。
ふふ、もしかしたら、花嫁修業の成果だったりして。
ユンホ、愛されてますね~。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
昼休みの後の最初の授業の間、
ユンホは、チャンミンが話していたことを思い出していた。
1年の時はメガネで冴えなかったって?
まったく記憶になかった。
そう言えば、キム・ジェジュンも“コンタクトに替えた”とか言ってたな。
本当に、あいつは…
花嫁になるための努力をしていたのか…。
つづく