オッパ! おじゃましま~す。4-7 | ねーさんの部屋

ねーさんの部屋

ユンジェの妄想部屋です(時々旅グルメ)


「お兄ちゃん、居るの? 
起きてる?
寝てないよね、お兄ちゃん?」



大きめの声で、ドアを叩きながら声をかける。



「…おお。チネ。
帰ったのか、おかえりー。」



普段とかわらないお兄ちゃんの声が、
ドアの向こうから返事をしてきた。



ジェジュンさんを振り返ると、悔しそうに、
いや…、悲しそうかな、
顔を歪めると下唇を噛んで俯いた。



「お兄ちゃん、
いい加減、出てきなさいよ。」



「…ん~、
あと少しだけだから…」



さっきの返事と違って、少しくぐもった声。
俯いて本読みながら返事してるな、お兄ちゃん。



「あのさ…、お兄ちゃん…。




ジェジュンさん、……泣いてるよ。」




大きな声でもなく、大げさに感情も込めずに、
淡々とした口調で言ってみた。



1秒間の静寂の後、
ガツッと何かがドアにぶつかる音がして、
ほぼ同時にカチャっと鍵の開く音。



その直後に、勢いよく目の前のドアが開いて、
お兄ちゃんが飛び出してきた。



ドアの前に立つ私と目を合わせたお兄ちゃんが、
すぐに首を左右に動かしてジェジュンさんを探した。



私の後ろ、向かい側の壁際にたたづんでいたジェジュンさんを見つけると
ジェジュンさんに駆け寄った。



「ジェジュン、どうした?!」



本を片手に持ったまま、両手でジェジュンさんの肩を掴んだ。


ねーさんの部屋-4-6


ジェジュンさんは、いきなり飛び出してきたお兄ちゃんを
驚いて目を見開いて見ていたけど、お兄ちゃんが目の前に立つと、
お兄ちゃんの顔を、恨めしそうに睨んで、
沸々と湧き起ってきた怒りの言葉をぶちまけた。



「ユノのバカー!
なんだよー!オレが何度呼んでも、電話しても、
料理も作ってやんないとか、Hもしないって言っても
出てこなかったくせしてー!
チネちゃんが呼んだら、1発で出てきやがってーー!
ど、どうせ、オレなんか~、
オレなんか、本よりもつまらないしー、
オレなんか、チネちゃんよりも思われてないよー!」



恨み言を叫び終えると、
ジェジュンさんは、お兄ちゃんの手を振り払って、
リビングに向かって走って行った。




リビングの扉をぶつかるようにして開けて、
リビングもダイニングも突っ切って走って行く…。



お兄ちゃんと私は、そのジェジュンさんの後姿を
呆気にとられて見送った。



ジェジュンさんは、そのまま、
その奥に続くお兄ちゃんの部屋に入ると、
バタン!っと、大きな音を立ててドアを閉めた。



リビングから先は、この位置からは見えないんだけど、
バタン、バタンとドアのぶつかる音が響くので、
ジェジュンさんの行動が手に取るようにわかる。




並んで立っているお兄ちゃんの顔を見上げると、
“まいったなぁ~”って、開いた口を歪めて眉を下げていた。



私は、これからどうなるのか、どうすればいいのかと、
戸惑いながら、お兄ちゃんに訊ねた。



「どうするの、お兄ちゃん?」



「…え?
ああ、ひたすら謝る。」



「へ?
…お兄ちゃん、
それって…情けなさ過ぎ…。
なら、最初からしなきゃいいのに…、も~う!
・・・それで、機嫌直るの?」



「あ?
いや~~。厳しいな。
でも、交換条件が出されるから、
それをクリアすれば、許してもらえるかな。」



「交換条件? …例えば?」



「え?
…ああ~~、そうだな~~~」



頭を掻きながら、つーっと私から視線を外すと、
言いよどむお兄ちゃん。




つづく



(画像はお借りしています)