今回の短編(のはず)は、9月の出来事です。
チャンミンのしれん16が、6月11日の話だったので、
あれから、3か月後のお話ということになりますね。
一気に、今どきの話になりますよ。
それでも、ちょっと出遅れ感は否めませんが…。
(広~い心で、お許しを…。)
タイトル名と、中で使われている曲が、
全然違いますけど、特段の関連も意図的操作もありません。
ただ、思いつくままに使っております。(あしからず。)
By 安寿子
一夜物語 3 ~ Catch me 秋色のぬくもり ~ ①
「チャンミン! ユノ居る?」
電話に出たチャンミンが一声も発しないうちに、
早口で用件を告げるジェジュン。
何度かけ直しても電話に出ないユノ。
この2日、メールにも返事は来ない。
いつものことだけど、いつもとは違うこの感じ…。
じわりじわりと項から肩に緊張が強まっている感じ…。
「・・・・・」
電話の向こうで、チャンミンが黙る。
「チャンミン!
どうなんだよ?いるの?
電話にもメールにも返事がないんだ!」
「…そんなこと、いつものことでしょ…。」
「そうだけど、
こ、今度は、ちょっと…、
ちょっと違うから、いつもと状況が…」
「こうなったのも、自分のせいでしょ。」
「…っ、」
ぐっと言葉に詰まる。
「でも、こんなのいつものことだし。
そう、こんなこと、初めてのことじゃないだろ!
なのに、今回はどうして…」
ジェジュンが言い終わらないうちに、
チャンミンがスッパリと切り捨てるように言いきる。
「あなたが、そうだからですよ。
何度も同じこと繰り返すから、怒ってるんでしょ。
まぁー…、怒っているというか…、拗ねているというのか…、
それは、どっちだかわかりませんけど。
ハァーー。
ただ…、
今は、ジェジュンと話したくなさそうなのは確かですね。」
「…そんなぁ…」
「…まったく…。
ユノがやきもち焼きだってこと知ってるくせに、
なんで、あんな写真をツイに載せさせちゃうんですかねー。
そうしてもいいような雰囲気がジェジュンにあるんじゃないですか?」
「そんなこと…、あるわけないだろ!
載せられたことも後から知ったんだから!
それに~、肩組んでる写真とか、
前にもいっぱい載せたことあるだろ~!」
「今回の写真、ジェジュンの表情…、
画面が暗くてよくわかりませんけど…、
あんな寂しそうに構ってほしそうに見える写真は、
まずかったですね。
誰が見ても誤解しますよ。
…あの鈍いユノでも。」
「ユ、ユノ、どうしてる?」
「自分の部屋で、黄昏てます。
ジェジュンからのメールや電話が来るたびに、
携帯の画面ジーッと睨んでますよ。
そのくせ、音が切れるまでそうしてるだけです。
結局、こうやって、僕のところに火の粉が飛んで来るから、
「早く出ろ!」とは言ったんですけどね。
まだ、気持ちが決まらないみたいですね。」
「チャンミン…、どうしよう?
どうしたらいいと思う?」
「知りませんよ、僕は!
自分で解決してください。
大体、ほんのこの前だったでしょ。
1週間もイハンさん泊めたり、一緒に住もうって誘ったの。
あの時も、なんか言い訳してたでしょ、ジェジュン。
あれから1か月も経ってないんですよ。
あのことだって、本当は、今も気になってるんですよ。
ユノは言いませんけどね、そんなこと。
女々しいとか思われるの嫌ってますから。
そのくせ、ずっと気にするんですよね…
・・・ああ~~、まったく!
どうして、あなた達は、
いつもいつも僕を困らせるんですかね!」
「チャンミン!
今から、そっち行くから、
ユノがどこも行かないように見張ってて!」
言い終わるやいなや、電話を切ったジェジュン。
いきなり切れた電話を、耳から離すと、
チャンミンには、手に持つ携帯がジェジュンの顔に見えてきた…。
チャンミンは、眉間を寄せてじっと携帯を睨んだ。
つづく