ユノの言葉を読んだ後に、
ユノの涙を堪える顔の写真を見てしまったら…、
あ…、
我慢しようと思う前に、涙がどっと溢れて来て、
瞬きもしないのに両頬を大粒の涙がこぼれ落ちてた。
パソコンの横に置いていた携帯を掴むと、
鼻をすすりながら、ユノの番号を押す。
携帯を耳に当てながら、左手で頬の涙を拭う。
4コールめで、ユノが電話に出た。
「…もしもし、ジェジュン…」
少しかすれ気味のユノの声。
声を聞いた途端、また、涙が溢れてきた。
「う……うっ…、ユ、ユノ~!」
嗚咽をあげて泣きながら、ユノの名前を呼ぶ。
携帯の向こうから、ガバッとベッドから起き上がり、
かけ布団をまくり上げるような音が聞こえ、
「ジェ、ジェジュン! どうした?!
なんで泣いてるんだ?! なんかあったのか?!」
ユノの声が、一気に大きくはっきりしたものに変わった。
「…ユ、…ユノが、…泣くから~…」
「あ…、…ああ、なんだ…。
もう、見たのか? 俺の泣き顔…。
…恥ずかしいなぁ。」
一気に脱力したユノが、ははっと小さく笑いながら言った。
「は、恥ずかしくなんかないだろ~。
みんな感動して泣いてるじゃん!」
「あははは。そうみたいだけど、
ずっと泣いたことなかったから…、
慣れなくて…さ。」
…そうだ、ユノは、…本当に泣かなかった。
オレの前でだって、泣いたのは、本当に3回だけ。
「なんかさ…。
今日みたいな日こそ、
ジェジュンと一緒に居たかったと思ってさ…。
…それができないんなら、せめて話がしたくて…。
ごめんな、疲れてるのに。」
「ううん…。大丈夫。
オレも…、ユノの話ききたい…。
だから、話して、ユノ。」
「…うん…。」
そう言ったきり、ユノが黙ってしまったので
静かな沈黙が続いた…。
ユノの小さなささやきさえ聞き逃すまいと、
じっと耳をすますと、
電話の向こうから微かな音が聞こえてきた。
苦しそうに息を吐くような、
嗚咽をこらえているような…
小さく何度も息を吐く息遣い…。
「ハッ…、ハッ…、ぅ~ 」
「ユノ…」
ユノの名前を口にしたものの、
ジェジュンの胸も痛くなってきた。
ユノが、今夜の…、
もう昨日のことになってしまった
東京ドームコンサートでのことを思い出して、
むせび泣いている。
ああ、東京に行きたい。
ユノの側についていてあげたい…。
ジェジュンは、胸をせつなさで焦がしながら、
近いけど遠い場所、
東京にいるユノのことを思った。
東京のマンションのユノの部屋。
ベッドに腰掛け、膝に肘をついてうなだれ、
携帯を左手で耳に当て、
右手で俯いた顔の目元を覆っている…
そんなユノの姿が脳裏に浮かんだ。
顔をゆがめ、唇を震わせて、
大声で泣き出しそうになるのを
必死に堪えてるみたいだ。
大きく息を吸って
ゆっくりと吐き出す息遣いが聞こえた。
そして、涙声のユノがゆっくり話し出した。
「…ジェジュン…、
今日さ…、 本当に今日やっと…
俺たち2人でも、東方神起って言っていいんだ、って…、
やっと…、本当に、やっと心から思うことができたんだ。」
つづく
(画像はお借りしました)