
最近の僕の髪型はよく変わります。
今は、ふわふわパーマで、明るめのブラウンです。
結構評判がよくて、「かわいい」と言われることが
増えました。
この手の役回りは、5人の時には主にジェジュン
でしたが、今は僕になったようです。
いいんですよ。お仕事ですから。
それに、似合っていれば、僕だって嫌がりませんよ。
過去に、きのこみたいな髪型の時がありましたが、
あれ以外だったら、たいがいOKです。
まぁ、今の僕なら、「イヤ!」ってはっきり、きっぱり断りますけどね。
ところで、最近のユノの様子が変です。
テンションが低いというか・・・
見る人によっては落ち着いているように見えるかもしれませんけどね。
いつものユノは、立っていれば踊っているし、座っているときは寝ているか食べているかなのに、
今は、立っているときも座っているときも静かです。
歌番組のひな壇での待機中なんか、他のグループの曲に合わせてリズム刻んで身体動かしたり、
一緒に歌ったりするのに、今は、曲の間中、何か考えてる風でじっと前方を見つめていることがよくあります。
今日は、雑誌の撮影で郊外のレストランに来ています。
周りに白樺の木がたくさんあるようなきれいな景色ところで、
お店もヨーロッパの田舎のホテルのような感じでおしゃれです。
2人での撮影が終わって、それぞれ1人ずつの撮影になった時、先に休憩していたユノが、
お店の外にあるベンチに座って、また物思いにふけっているのが見えました。
撮影の間も、なんだか気になって仕方ありませんでした。
こんなユノを見るのは初めてです。
僕は、撮影が休憩に入ると、ユノのいるベンチまで歩いていき、隣りに座りました。
ベンチの背に背中を預けて、ぼーっと前をみているユノ。
僕がすぐ横まで近づいて、初めて人の気配にが付いたみたいです。
パチリと1度まばたきして焦点を合わせると、僕を見上げて、ニッと白い歯を見せて笑いました。
C:・・・無理に笑うことないですよ。どうしたんですか? 最近変ですよ。
Y:・・・はぁ~~
僕の言葉に、一瞬固まったユノでしたが、次には、今まで聞いたこともないくらいの
大きなため息をつきました。・・・ユノ、どうしちゃったんですか?!
Y:…俺・・、ジェジュン欠乏状態かも…
C: ハァ~↗…
今まで数えきれないほど、年上の男のバカップルぶりを見てきた僕ですが、
こんなセリフをはくユノを見たことも、話しに聞いたこともありません。
C:…ゆ、ユノ…、変です・・・大丈夫?
Y:はあ~ぁ…、変だよな。分かってるよ、自分でも。でも、…会いたいんだ・・・
この頃のユノの変調はこれが原因だったんですか…、うすうす感じてはいましたが…。
こんな時、ジェジュンだったら、ユチョンやジュンスだったら、何って言ってあげるんだろう…、
思い浮かぶ言葉がなくて、何も言えずにいると
Y:・・・ジュンスにも会いたいよ。単純で、素直で、お子様で面白かったよな・・・
ユチョンにも・・・
ユノは遠い目をしながらも、楽しかったことを思い出してるのか口元には微笑みを浮かべています。
確かに、この2月ほどは、JYJの3人とはすれ違ってばかりです。
ジェジュンのドラマの撮影が佳境に入り、ほとんど会うこともないまま東方神起はタイやシンガポール、
ヨーロッパ方面のツアーが始まりました。
それが終わって、韓国に戻る頃、JYJはアメリカでレコーディングとPVの撮影に入り
1月ほど韓国に戻ってきません。
韓国国内であれば、多少の無理をすれば会うこともできたし、時差を気にして電話を
控えるなんてこともしなくていいです。
そうですね。僕にさえ、「ユノのこと報告しろ!」ってメールがジェジュンから届いていません。
C:・・・ユノ・・
ユノが僕を見るためにゆっくりと顔をこちらに向けました。
ユノの目を見ながら話せなくて・・・、ユノの顔から視線をはずして言いました。
C:・・僕、がんばりますから・・・、だから・・・
だから、そんなにさみしがらないで、と続けるつもりで目をあげると、
ユノが背を反らせて目を見開いています。
C:・・・なに、ユノ。その顔は!
Y:だって、チャンミンが、あんまりしおらしいこと言いだすから、ビックリしちゃって。
まだ、ビックリ顔のまま、たいへん失礼なことを言ってきます。
僕はむっとして、口をへの字にしてユノを睨みました。
なんだか、ユノのメランコリーな雰囲気にのまれて、しおらしく励まそうとしたことが、
超恥ずかしいです。この3年間くらいで1番恥ずかしい瞬間でした。
僕の怒った顔を見たユノは、ふっと白い歯を見せて笑いました。
これまでに見たことないくらい優しい目をして・・・。
その優しい笑顔の下で、どれだけのものを抱え込んでいるのだろうと思いました。
ユノのすっきりと切れ上がった一重の目や白い歯の見える口元をじっと見つめながら、
東方神起のリーダーであり続けるユノの重圧や孤独を想像しました。
目の前のユノの顔が揺らぎました。
おやっと思ていると、ユノがまた目を大きくしました。
でも、今度はすぐに笑顔に戻りました。
ユノは、僕の頭を抱き寄せると、大きな手で僕の頬を両手ではさんで、
一言一言を大切に伝えるようにゆっくりと言いました。柔らかくて優しい声で。
Y:チャンミン。ありがとう。
ユノは、顔を近づけてくると、こつんとおでこをあわせて言いました。
Y:チャンミン、2人になってから、他の3人の分まで頑張ってくれてたろ。
わかっているから。 ・・・泣かないで、チャンミン。
僕が泣いてる?!
自分でも泣くとは思っていなかったので、教えられて、あわてて両目を右手でぬぐいました。
おでこを離したユノが、僕を抱きしめながら
Y:チャンミンもさみしかったよな。一番、みんなのこといいように振り回してたんだから。
くすっと笑いながら、僕の肩に顎をのせて話始めました。
Y:チャンミンが泣くと、みんなつられて泣きそうになるんだから、泣くなよ。
そう言いながら、回した左手で、僕の頭をポンポンとやさしくたたきます。
C:な、泣いてなんかいませんよ。ちょっと、目から汗が出ただけです。
Y:なんだ、そりゃ。ははは。
面白そうに目を細めたユノが、僕の頬の涙のあとを拭うように、目の下や頬を
長い指でなでました。
そのあと、ゆっくり僕を抱いていた腕をほどいて前に向き直ると、
Y:本当は、俺も泣きたい時があるんだけど、泣いたら、負けたくないって思っている何かに、
負けてしまうような気がして…。
でも、我慢せずに泣いたほうが楽になれるような気もするし。
…どっちだかわからなくて。
だから、今は、泣かないことにしてる。
そうでしたね。ユノは人前では泣きません。
おじいさんと約束したからって言ってましたね。
僕らの活動が落ち着く前までは、時々誰もいないところで、
眉を寄せてぐっと奥歯を噛みしめているユノを見ることがありました。
そんなことを僕が思い出している間、口元にかすかな微笑みを浮かべたユノは、
目の前の高く広がる青空を黙って見上げていました。
前方に広がる澄んだ青空には、大きな雲や小さな雲が浮かんでいました。
少し見ている間にも、白い雲たちは、上空の風にすーっと流されながら
左から右へと動いていっています。
Y:あの雲みたいに、風に流されながらも悠然としていたいよな…
僕は、ユノのつぶやきを黙って聞きながら、流れていく白い雲たちを見ていました。
ふっと、Biginの曲が思い浮かんできて、頭の中でリフレインしだしました。
泣きたいときは 泣けばいいから ねえ 無理はしないで
涙枯れたら 笑顔がひらく ほら もう笑ってる
戸惑うのは 未来があるから まぶしさに負けない 勇気が欲しい
Every day and night with you
小さな君の手を 握りしめるから
Every day every night everywhere
つながる感触を ずっと確かめよう 今 ものがたりはBegin
ユノ、僕は頑張るよ。
今よりもっとダンスがうまく踊れるようになるよ。
並んで踊っても引けとらないように。
二人で一対って言ってもらえるくらいになるから。
確かに、3人のいなくなったところを2人で埋めるためには、
1人で2倍以上頑張らなきゃって、いつも思いながら、ずっと頑張ってきた。
神経張りつめて、自分の力以上に頑張ってきた。
でも…、1日1日過ぎていくごとに、今2人であることの意味や、
2人だからの良さや魅力もわかってきたよ。
だから、がんばれる。
今はまだ、支えてもらっているけど、
頼ってもらえるくらいの男になりたいって思ってる。
アボジユンホからチングユノになれるようにね。
Every day, every night, everywhere
ふたりの感覚を もっと重ねよう 今 君と僕は Bigin
・・・・・to be continued・・・・・
画像はお借りしています