随分と間を空けてしまいました。
どんなことを書いていたのか忘れかけてます。
15年以上銀鱗堂を続けてきて思うこと。
流行は毎年目まぐるしく変わっていきますが、”和” というものは変わりませんね。
近年は ”もの” に対しての判断が殆どが見た目での判断になってしまって
”インスタ映え” なんて良く言いますが、見た目に派手だったり綺麗だったり、
中身よりも外見に興味が集中しているみたいですね。
そろそろ”もの”に対する見方を変えてみてはどうでしょう?
そもそも”もの”とはどうしてできたのでしょうか?
”もの”ができる前には必ず”こと”があるわけです。
”こと”とは”事”のこと。
何かを行う為に必要な”もの”であるわけです。
”もの”には必ず存在意味があるということですね。
銀鱗堂で作ってきたお財布は、お札や小銭、カードなんかを納めて持ち歩くための”もの”な訳です。
第一にはその”こと”を満たすための機能を搭載した”もの”ということであるべきで、そこからどれだけの機能を上乗せしていくかで
商品価値の差が出てくるわけです。
またもう一つの見方として、昔からあるのがお守りとかおまじないといったスピリチュアルなこと。
江戸には色々な文様なんかがありましたが、まさしくこの文様には意味があったんですね。
印伝シリーズの柄は亀甲と鞘を使っていますが、亀甲は亀の甲羅に由来して長寿吉兆の象徴なんだそうです。
鹿革は軽くて丈夫で通気性がいい、そこに摩擦強度が高く抗菌消臭性のある漆を亀甲紋に型付け(プリント)する、
財布以外にも匂い袋や煙草入れ、合切袋など幅広く使われたわけです。
鞘柄は、皇族や武家に好まれ、『不断長久』(耐えることなく長く続く)といった家の繁栄や長寿を願う文様なんです。
銀鱗堂の財布はそれ以上に江戸小紋を使っていますので、この小紋柄がおめでたい柄の詰まったものなのです。
キャッシュレスになりつつある今ですが、小銭こそ持ち歩かなくなっていくのでしょうが、カードやスマホは欠かせなくなるのです。それらをしっかり守るためにも、こういった『心の機能』も大事ではないでしょうか。
初代紐巻き長型財布はおかげさまで今でも人気の商品です。
スマホと最小限のカードを入れて紐で巻けばスッキリスマートに持ち歩けるというわけ。
まだまだ作り続けます。
是非一度手にとってみてはいかがでしょう?