ディズニー・クラシックスのアニメです。

全編CGグラフィックで、加えて3Dです。3Dはいんちきなしですね。

非常にすばらしいアニメです


この話の要約は、塔から出られない女の子が、窓から見える天灯(てんとう)を

間近で観てみたいと願い、塔の侵入者フリン・ライダーに案内を求める・・・というもの


塔から見えるというわけで、目的地はすぐそこ。目と鼻の先にあるお城へ行くまでが話しの顛末になっています。

ストーリーはそんなもんです。これが傑作の秘訣ですかね。


ものすごく単純なお話だからこそ、ディズニーのアニメスタッフがやりたい放題

ミュージカルは3シーン、おっかけっこ、城下町のダンス、白馬マキシマムの縦横無尽の暴れっぷり

ディズニーのお家芸はどれも、単純なストーリーだから可能な楽しい脱線なわけです。

アニメの白眉はこうした演出の自由さにあるのでしょう。

複雑な、冗長なお話を下敷きにしていては、これらの脱線も入り込む余地がなくなります。

窮屈な(ロジカルと言うべきか)原作つきアニメからは得られない開放感を味わえます。



展開のよさを無駄にしたくないスタッフの潔さ

閉塞された塔の中、心を許す相手もカメレオン1匹です。そこに現れた盗賊フリンは、ラプンツェルが初めて目にする異性、彼はラプンツェルの知らない外の世界を知っているのです。


そんな彼の案内で塔を抜け出し、外へ出たラプンツェルですが、彼女の知らない世界は、

我々が知っている世界です。

彼女の外界への憧れと感動を塔の周辺に生えている草、流れる川、その辺に触れるだけでさっさと切り上げたのは正しいでしょう。


世間知らずの(はずの)彼女ですが、すぐに外の世界に順応してくれました。

見る側にとって、わずらわしくなりそうなシーンは皆無です。ここがディズニー映画のいさぎのよいところ。


ですが、今作のラプンツェルを見ていて、どうしてもわくわくできなかった点が何だろうと考えてみると、

ラプンツェルたち主要な登場人物がみな、よく見慣れてしまった人間だったからではないかと感じました。


ピクサーと言うアニメ会社がありまして、ディズニーの傘下であります。

ディズニーグループを牽引するこの会社は非常に志の高い作品を生んでいます。

2010年は、代表作となったトイストーリーが3作目にしてアカデミー賞を2部門受賞しています。


ピクサーはまず、主人公を決めるにあたって、人間から離れました。魚、おもちゃ、車、ゴミ回収ロボットなど・・・

クリエイターたちは人間をアニメで描写することに飽きてしまったのです。

これは見る側の私たちも同じでした。

それだけに、塔の上のラプンツェルにおける刑事ワンコ、マキシマスはスタッフ渾身の仕上がりになっています。



余談

それにしても、ディズニーしかり、海外のイラストレーターが書く盗賊の何たる個性

劇中のキャラクターもエンディングのイラストもみんな美しく盗賊然として、さまになっている。

前半は奇妙な境遇におかれているラプンツェルが焦点。金色の長髪を巧みに操り、ダンスするラプンツェルがどことなくなまめかしく見えたのはグリム呪いですか。