夜道、夜の街。 

白杖を持ってひとりで

夜を歩くのが、 

とても怖くて。 


「なんかされたらどうしよう」 

なんかって何、

って感じなんやけど…


以前、視覚障害の方から聞いた話 

夜歩いていたら

「案内しよかー」と

声をかけられたそうで。

お願いしたら、

最後にお金をたかられたって。 

その話を聞いて、

ちょっとビビってしまってた。 


夜は夜盲で昼よりよくみえない


そんなこと、

そうそう起こらないって

思ってても

やっぱり怖かった。


そしたら昨日。 

夜の帰り道

大阪駅のホームで、 

さりげなく

声をかけてくれた人がいて。 


「もう少ししたら

下り階段とエスカレーターが

あります」って。 

あ、私に言ってくれてる!

と思って 

「あ、はい!」って返したら、 


「私、エスカレーターまで

案内しましょうか?」って。 

おおお……! 


振り向いて、

「大丈夫、ありがとう!」と

言ったら、 

その方は外国人で、 

そのさりげない声掛けに

すごく感動した。 


私は全く見えないわけ

じゃないけど、 

人が多いところは

本当に足がすくんで、 

歩けなくなることがある。 


そんな私には、

やっぱり白杖があると

歩きやすい。 

 

夜のお出かけも、 

ちょっとあきらめがちというか 

億劫だったけど 


そんなきもちも

軽くなる出来事だった。