今年も残り少なくなり、振り返りをしているこの頃です
新たな患者さんとの出会い
そして別れ・・
今年も多くの患者さんとの時間を経験させていただきました
「生きるのをやめたくない
何もしないで死ぬなら、死んでもいいからやりたい」
ある患者さんが発した言葉です
前医から
「もう治療はありません
体力もないから、何もしないのが1番」 と言われたという
なぜに私でもないのに私の人生を決めつけつけるのかと
当院にみえた
確かに痩せていて体力も落ちている
でも目力がある、気力がある
全身から「生きたい」オーラが伝わってくる
家族がすべてを受け入れる覚悟もできている
当院での治療を開始しました
娘さんが同行してくれます
診察室では体調の変化以外に
いつも世間話で盛り上がります
季節は変わり、異常気象の夏
体力が落ち、今回が最後の通院になるかも・・と
患者さん抜きで娘さんと話をする時間が増えました
家族との話を裏切るように
その後も何度か通院されました
通院できなくなったある日、連携病院に入院されました
それでも通院したいと言っていました
「外出は危険だ」と入院先の医師が話します
「外出許可が出れば行ってもいいですか?
母の最後の最後の願いなんです
明日行こうと思います」 と娘さんから電話が入りました
決死の言葉です
「外出許可がでればOK
待っていますと伝えてください」 と応えます
嬉しそうに翌日を待ったと言います
患者さんは翌日を待たずに、人生を生き切りました
後日家族が挨拶に来られました
遺品の整理をしていると
病状を記録しているノートが出てきて
最後のページに「三好先生最高」と書いてあったんです
体力なく、最後のころだと思います
流れるような字で書いてありました
ほんとうにありがとうございました・・・と