先日、受付スタッフから
「岡田さん、Sさんという方が受付に来られています」と連絡をもらいました
Sさん? とても多い苗字ゆえに、どのSさんかしら?と
瞬時にはSさんを同定できませんでした
待合室に顔をだすと
こんがり小麦色に焼けた実に健康そうな女性が座っていました
目が合うと、
「こんにちは、お久しぶりです」とSさん
「お久しぶり~~元気?」と岡田
Sさんは続けて
「今日はT病院の定期健診だったんです
手術から8年経ち、再発なし、順調・・
その報告に立ち寄りました」と
嬉しい報告を受けると、こちらも嬉しくなるのは当然ですが
それ以上に嬉しかったのは、心と身体の両方の健康を
感じ取ることができたことです
Sさんは、現在40代後半の乳がんの患者さん、8年前に発病、
当院の前身である「がん相談所キャンサーフリトピア」の
今は亡き「土屋繁裕」医師の相談に来院された
自分で触れる、そこそこ大きな乳がんだったため
一時は自暴自棄になったという
土屋医師の相談を受け、治療の道筋を一緒に立て
自分で納得した上で、治療を受けることができた・・と
その後は、医師の指示通り定期検査を継続し
気が付いたら8年が経ったと
私がSさんと話をするようになったのも8年前
術後の放射線治療のためにT病院に入院していた
入院中にも関わらず、入院中の他の患者さんを心配し
一緒に外出届けを出して、相談に来られた
「行動力があり、人をおもんばかる気持ちが人一倍あるSさん」
というのが、私の第一印象であった
放射線治療の後に、再発予防目的で免疫療法を行い
あとは、経過観察のみ・・
こう書くと、順風満帆のようであるが
彼女は、シングルマザーである
そして、病気治療のために仕事を失った
その上、相談できる一番信頼していた土屋医師が急逝した
命は助かったけれども、精神的な不安で
気持ちが押しつぶされそうになった時期があった
女優さんが乳がんで亡くなったというテレビを見て
私もそうなるのかしら・と、涙が止まらなくなったと
私に相談の電話があった
「Sさんだけでなく、世の中の乳がん患者さんが皆そう思ってるよ
Sさんだけじゃないよ・・」など話をしたような記憶がある
そんな不安定な時期を経て、次は別人になったSさんが来院された
仕事を得て、とても楽しく過ごしていると
「病気をして、知人がサプリメントを勧めてくれた・・
それを飲むと、とても調子が良く、自分の友人知人にも勧めるようになり
気が付いたら、そのサプリメントの代理店のような仕事を得た
サプリを飲む人は、何らかの不調を訴えていて
その話を聞いてあげたり、相談にのったり・・
自分が病気をしてるから、いろんな気持ちがわかる・・」という
「がん」で仕事を失ったけど、「がん」をきっかけに新しい仕事を得たと
そして、先日来院したSさん
「仕事でハワイに行ってきて・・
その後、国内で何度もゴルフに行って・・こんなに小麦色
人生どうなるかわからないから、遊ばなくっちゃ」
そして極め付けの言葉
「岡田さんプライベート充実してます 遊んでますか
」と
すご~く、真剣に考えた
充実はしてるけど、それほど遊んでないかも・・
決めた、8月のクリニックの夏休み1週間は思い切り遊ぼう
Sさんの教えにより実行しようと思います