少し前に観た舞台です。
ちょっと記録として残しておきます。
『血の婚礼』
演出 : 蜷川幸雄
出演 : 窪塚洋介、中島朋子、丸山智己、高橋和也、伊藤蘭、他
う~ん…
なんて言うんでしょうか…
とっても難しくて私には理解不能でした
窪塚くん演じる主人公が、中島さん演じる花嫁を
結婚式場から連れ去る。
でも、
2年の月日が経ち、2人の愛は冷め別々に暮らしている。
そんな時、花嫁を奪われた丸山さん演じる花婿と、
その親族が2人の前にやってくる。
主人公と親友だった花婿。
お互い懐かしくもあり、照れくさくもあるのに、
何故か決着をつけなければ…と決闘し…相打ち。
双方、息絶える。
これだけ読むと、とっても単純な愛憎劇に思えるけれど、
これが実に難解…。
そもそも主人公と花婿の間に憎しみがカケラも感じられない。
更に花嫁はどちらも愛していないように思える。
実際、略奪してから2年も経ってしまっているわけだし、
必死に2人の行方を探していたようにも見えない。
なのに、どうして2人は命を落とさなければならないのか…
脇に登場する人物もその背景がまったく理解出来ない。
今までで一番意味の解らない作品だったかも…
でも、演出は素晴らしかった。
冒頭から舞台に降りしきる雨はすごい迫力で、
公演時間の8割は降り続いていました。
(前から2列目まではビニールやバスタオルが
配られていましたよ。)
コインランドリーにレンタルビデオショップ、
いくつも置かれた錆付いた自動販売機。
薄暗い路地から続く寂びれたアパート。
要所要所で登場する鼓笛隊。
身体全体で何かを表現しながら蠢く少女達。
けたたましく汽笛をならし過ぎていく電車の光と影。
意味は理解できないけれど、
何かが伝わって、鼓動が早くなってしまう…。
降りしきる雨は容赦なく演者を濡らし、
舞台上の役者はみんなビショぬれ。
よく解らないけど…惹きつけられる…。
そんな空間でした。
そして、窪塚くんが本当に美しい
凛とした強さ、頑固さがあるのに、
なんとも儚く繊細で…。
彼が濡れながら舞台に佇んでいるだけで
見つめていたくなる美しさがありました。
蜷川さん演出の潤くんの舞台も気になりますね