さて、今回は認知機能検査についてお話ししていきしょう。
認知機能検査といってもたくさんありますが、よく聞くものはHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)とMMSE(Mini Mental State Examination)でしょうか。この二つは認知機能検査の代表的なもので、特にMMSEは世界でもよく使われています。HDS-Rは長谷川和夫先生という、日本で認知症医学の第一人者です。実は、MMSEはHDS-Rの改訂前のものを参考につくられ、そのMMSEを参考にHDS-Rが作られたという歴史があります。まあ、これはうんちく程度に覚えておいてください。
MMSEの結果を見る際は、点数を確認することと、どこに減点項目があるかをみます。点数からわかる重症度ですが、23~20点が軽度認知症、19~11点が中等度認知症、10点以下が重度認知症となります。また、26点~24点はMCI(軽度認知機能障害)といってこれから認知症に移行していくかもしれない範囲です。
次に、どこに減点項目があるかについてです。こちらの方がより重要となってきます。なぜなら、具体的なケアの方法を考えるさいにとっても参考になるからです。検査の質問項目として「時間の見当識」、「場所の見当識」、「即時記憶・語流暢」、「計算・判断力」、「近時記憶(遅延再生)」、「物品呼称」、「読み理解」、「書字」、「図形模写」について質問していきます。結果を見る際は、どの項目で、どれだけ減点があったかに注目してください。また、どの項目が減点がなかったかにも注目してください。「場所の見当識」の項目で-3点減点はあっても、「即時記憶」は減点なく保たれており、「近時記憶」に-1点減点がある。さらに読みの理解が保たれている場合は、ベッドサイドに「入院して治療をしている」ことをメモに残せば、ある程度の記憶の保持はできるということです。計算に減点がみられる場合は判断力の低下が考えら、さらに図形模写にも減点がある場合には一度にたくさんのことを段取り良く整理できないことが考えられるため、一つずつ相手の反応をみながら指示をするというケアが必要となってきます。
このように、MMSEは「どれならできて、どれならできない」という認知機能障害の程度を教えてくれるヒントになるので、皆さんもぜひ検査結果を見る際は点数だけでなく減点項目にも目を向けてみましょう!