
帰省話の続き。
昔は近距離の高速バスなどなくて、今思えば必死な思いで行ったり来たりしていた。
東京さ行ぐだ!となると、
朝5時に起き7時21分の特急にのらなければ、後はないのだった。
や、あるけども、それに乗んないと、家を出てから目的地に着くまでは5時間以上かかるのだった。
それくらい、東京に行くというのは重みのある事で大変だった。
そして結局、なんでこんなものを買ったのかと首をかしげるよなデザインの靴下や小物、田舎では絶対に着れないTシャツなぞを土産にしてしまうのだった。
そして日が暮れると、
終電20時24分頃に乗らなければ!
あぁ乗らなきゃ帰れない!
ベソをかきながら、
東京駅の長い長いエスカレーターを
かけおりる。
やっとの思いでホームに着いても、
それがすっとんきょうな位置に並んでいるという事すらわからない。
むこうに見える短い車両の先頭こそがわが町に帰る特急なのだともわからず、発車間際までただ待っているのだ。
都会の電車は難しい。
いや、東京駅が難しいのだった。
地下鉄なんかに乗ったなら、
一生戻れない気さえしたものだ。
東京のヤツめ、
このけしごむ様が田舎町で日の出前から起きている事など知る由もないであろう。
それなのにそれなのに。
「そこじゃないよ」
とばかりに、我々を田舎へと連れて行く特急あやめ号は、何十メートルも離れたとこにしれっと停まっているのだった。
だから、いつの時も
「ま、まって! 待ってくださぁぁい! 乗ります、乗りたいんですぅ

」


」と叫びながら必死の帰郷なのだった。
そこまでして行きたかった、
東京とはなんなのだろう。
あそこに行けば「ある」だとか、
なんだか素晴らしい世界のような。
なんでもある場所、東京。
ホンモノがあるとこ、東京。
住むというより、わざわざ行くからいい、東京。
東京とは
原宿とは
クレープとは
サーティーワンとは
ハチ公や渋公とは
丸井とはパルコとは109とは
生写真や缶バッヂとは
タレントショップとは
パステルカラーのシャツとは
C-C-Bみたいなメガネとは
とんねるずとは
バレンタインハウスとは
オメガトライブとは
チューブとは
KANとは
ペッパーボーイズとは
ラ・ムーとは
Winkとは
光GENJIとは
高橋良明とは
そんなことをいつも考えて、
全く勉強しなかった10代の頃。
おなつかしい≧(´▽`)≦
今でも、毎年スマートな帰省とはいかなくて、やれ誰ちゃんにはこれだの、何ちゃんにはそれだのとやってるうちに土産がガサばり出し、挙げ句の果てには味噌汁の歌の時に見る、千昌夫のようなトランクに風呂敷を背負うようにして帰るのだ。
東京ばななの袋をひとつだけ、サラっと下げた人がバス乗り場に並んでいると非常に恥ずかしくなるのである。
そんなふうにして、一生懸命持ち帰るお土産を渡しながら、昔話をするのは楽しい。やはりすべてを捨てたかのよに、都会の人にはなかなかなれないものである。
【本日の消しゴム】
特急と聞くと緊張する。