$けしごむおんなの自堕落日記~お引越し版~



小学校の遠足で何が楽しみかといいますと、
バスの中でこっそり食べる300円以上のお菓子、
アイドルの最新曲を我れ先に覚えてきたぞ! とばかりに歌うこと。
しかし、マイクを離さない人はいつも決まっていた。


今の小学生は、どんな遠足システムになっているのだろう。



遠足のレク係という任務はなかなか大変で、
バスの中で歌う歌詞カードを作ったり、旅のしおりを作ったりと
日が迫ると放課後残ってその時代に流行ったアニメなんかを挿絵に描いたり
表紙を描いて色画用紙に印刷して閉じたりとそれはもう働いた。


中でも、バスの中で何を歌うかを学級会で決めるのだが、ここでつまづく。


まるでちびまる子に出てくるような形式で
歌決めの学級会は進行していった。

まずは無難にアニメの曲。
北斗の拳
Dr.スランプアラレちゃん
愛してナイト
うる星やつら
タッチ
パタリロ!

などなど、平日のゴールデンタイムを独占するアニメ曲が争奪戦を繰り広げる。



一方、おませな子たちは早々にアニメの歌なんぞ切り上げて
アイドルの歌に夢中。

マッチさんに聖子ちゃん、
チェッカーズにおニャン子クラブ、
そして角川映画の薬師丸、原田、渡辺3大女優。
クラッシュギャルズ、
チューブにオメガトライブ、
もっと進んでいる子は『悲しい色やね』や『ボヘミアン』をマスターしていた。


これをバスの中で皆が歌えるように、全部をしおり1冊へとまとめようとすると
わずか何時間かバスに揺られる間だけでは多すぎる。
そこで多数決になるわけだが、これまた決まらない、しまいには泣き出す子も。


5年生の時の担任はすぐにぶっ叩く通称ビンタ先生だったが、
わりかしシャレのわかる人で、多数決では決まるまい、それならば
どれだけこの曲を遠足の歌本に入れたいか皆の前でアピールをしろということになった。


けしごむはそのとき、ジュリーの『おまえにチェックイン』と『麗人』を推したが担任の先生と教頭先生にしか受け入れてもらえず、学級会では総スカンをくった。


みんなが「それはどんな曲なのか歌ってみろ」というので、
インディアンの絵を黒板に描き、
音譜ちゅるるるっちゅっちゅっちゅ チュルやーん  だの、
音譜あーれもタブー、こーれもタブぅぅ
とあごを引いて、流し目をしても、ゲラゲラ笑われるだけでこの芸術がわかってもらえなかった。
この歌が流行ったのは、けしごむがまだ一桁の年齢の頃なので
ベストテンが放送されている時間帯は、世の小学生の殆どが、
おねむの時間だったのだ。


リベンジで、当時スケバン刑事で人気絶頂だった
斉藤由貴『白い炎』と『卒業』、
もしくは少し前の堀ちえみ『稲妻パラダイス』を推したが、
今度は新田恵理『冬のオペラグラス』か
菊池桃子『青春のいじわる』に負けそうだった。



そこで、家庭科の裁縫ばこからオレンジ色のメジャーを持ってきて
ワンンタッチで戻る白いボタンをセロハンテープで固定し
メジャーのひもを5センチくらい出して指に巻きつけた。


スケバン刑事は鉄製で鎖のついたヨーヨーで戦うので、
けしごむらも同じように戦えなければならなかった。
それでなければ、あのエンディングで流れる
玉置浩二作曲の『白い炎』を歌う資格などないのだ(と信じていた)。


左手にメジャーを包み込むようにして持ち、胸の前で斜めに腕を曲げ、
右の肩先にくっつけてポーズをとる。片膝は立てる。
北海道から転校してきたMちゃんと2人でお決まりのセリフ、
「てめぇら! ゆるせねぇ!」
などと叫びながらそれをシュッ!!っと投げますと、訓練次第ではよろよろメジャー本体が戻ってくる(場合もあった)。当然、PTAはざます、ざます、の絶叫。



※Up主さまに感謝してお借りします




ボロボロになるまで投げ続けたオレンジ色のメジャー本体には、
その証が刻まれたもんである。

スケバン刑事はポニーテールでなければいけなかったが
ド田舎娘。のおかっぱ頭であるけしごむおんなは、家から束ねた毛糸を持って来て
頭頂部に結わえ付けての熱演であった。
白熱しすぎて、終わったあと振り返ると、毛糸のポニー束だけが悲しく落ちていた。


たかだか、遠足のしおりに斉藤由貴の1曲を載せてほしいがために
ここまでのアピール。どうしてもバス遠足でこれを歌いたかった。


結果的にメジャーを投げすぎて破壊してまで演技した斉藤由貴の『白い炎』は採用。
皆が迫真の演技に感動して(苦笑の上仕方なく)、譲ってくれた。
バスの中でマイクを離さずに歌ったのだった。


皆さんが小学校の頃に歌った思い出の曲はなぁに?



【今日のけしごむ】
これ、このラーメンのCMが由貴ちゃんのデビューだったような…