
今日、すごいものを観た。
その人を生で見るのは初めてだけど、その人のことは7歳の頃から知っている。
イッセー尾形さん。
今年30周年だって!
おめでとう

横須賀にあるベイサイド・スポットで観たひとり芝居、
『イッセー尾形のこれからの生活』

けしごむが“イッセー尾形”を初めて知ったのは、小学校1年生の頃。土曜日に学校から走って帰ると、
ちょうど『お笑いスター誕生!(※)』が始まる時間だった。
司会は、初代ルパン三世の声、山田康雄&中尾ミエのコンビ。
緊張している芸人さんを、やさしく励ましリードするところが大好きだった。
ドゥゥルル!! チッチキチッチキチッチキチッチキ…と緊迫感あふれる出だしの音が流れると、ルパンの声で挑戦者を送り出す。
空気は一転、軽快な音楽とともに、黄色いカーテンが開いて
そこから若手芸人が勢い欲駆け下りてくる。
ロックスターみたいなカーリーヘアをした、
若かりし頃のコロッケがまねるエアちあきなおみや
エア岩崎宏美でお腹をよじったり、
小柳トム(ブラザー・トム)の警官コントを見たり、
とんねるずのぴょんぴょん跳ねるエネルギッシュなコントとか
口に長いゴムを加えて相方がその端を持ったまま離れ、
一気に手を離すゆーとぴあ、
マギー司郎の癒したっぷりマジックショー
そして、イッセー尾形のひとり芝居が毎週の楽しみだった。
赤いランドセルを放り投げて、田舎にしかないと言われている
『プラッシー』を飲みながら、
おばあちゃんの作ってくれる焼きめしを食べてケラケラ笑う。
チャーハンではない。
中華なべにサラダ油を敷いて、
玉ねぎとベーコンをじゃじゃっと炒めてご飯を投入。
しょうゆと味の素で一気に味付ける。
これがばあちゃんの焼きめしだった。
上にはふんわり折りたたんだ玉子焼きが乗っていた。
これをピンク色の『アタックNo.1』が描いてあるお皿に盛ってもらうのが土曜日の定番だったのだ。
何も心配事がない平和な時代だった。
「あーん、美味しい焼き飯があと一口で終わっちゃう
」そう思う頃が、イッセーさんの出番だった。
焼きめしか、イッセーか。
いや、自分をじらして、先に笑い、満足してから締めの一口をいただくか。
子供ながらに、いつも迷っていた。
だからその後、大きくなってスター誕生(スタ誕)が終了しても、
テレビでイッセーさんを観れば焼きめしが食べたくなった。
イッセーさんがブラウン管に映っているときは、あの焼きめしがないとダメなのだ。
家を出てひとり暮らしをしていると、おばあちゃんは居ないので
何とかしてあの味を再現しようと試みたが、
どういうわけか、絶対に同じ味は出せなかった。
で、前置きが長くなりましたが
今日はイッセーさんのひとり芝居を初めて観に言ったよ、
というお話。
なんでも、この夏からネタ作りに励んでくださったとの事。
まだこれから観る人もいると思うし、
これまでにずつと観てきている方もいると思いますが、
初体験のけしごむとしてはとにかく圧巻。
パイプ椅子ひとつしか置いてない四角い台の上で始まった1幕は、
絶対に違う人物なのに、3分後にはそう見えてくるから不思議です。
ここへ来たからには、絶対にスーツ姿や
気難しくて不器用なおじさん姿なんかも見たいと思っていたし、
女装ももちろん楽しみだった。
驚いたのは、1幕暗転するたび、自分で小道具を片付け、また始まるときも自分で運ぶ。
ひとつひとつ奥に引っ込まないで、ステージの端で全部着替えてメイクをする。
観客のみんなは「次はなんだろう…えぇっ!
そんな格好しちゃうんだ
」と、そんなワクワク感で待ちます。
この時間も演出のひとつとして楽しめるところが素晴らしく
また、お客さんへの思いやりだと感じた。
周りのお客さんもお芝居へ入り込む集中力はすごいものがあり
何しろ特別な体験ができる場所でした。
あのスタイルと、骨格からして
どこからそんなに大きな声と柔らかく俊敏な動きができるのか。
いったい、何人の人になれるのか。
想像力を使い、どんなシチュエーションなのかを楽しむ。
暗転する頃にはさわやかな満足感と、感服の極みが待っていた。
土曜日のお昼に、学校から全速力で帰るほど観たかった、
あのイッセー尾形が目の前で“変わらない”お芝居を見せてくれるのが嬉しかった。
帰りはスーパーに寄って、玉ねぎとベーコン、そして小さな中華なべを買って
今から、あの焼きめしを作る。
ずーーーっと観たいなあぁと思い続けていると
大人になってからでも叶う夢があるもんだと実感した台風の休日でした。
【本日のけしごむ】
やきめし。
※お笑いスター誕生:1980年4月12日から1986年9月27日まで日本テレビ系列(一部地域除く)で放送されていた正統派のお笑いオーディション番組。略称は「お笑いスタ誕(おわらいすたたん)」。
(Wikiさまより引用)