
「コリハ、ナンデスカ」
「コリハ食べるのデスカ」
外国人の友達が、だんだん日本語を覚えはじめた。
高校生の頃、留学生がクラスにいてお世話係みたいなものをやっていた事を思い出す。
高校時代のその子はオーストラリアからやってきて、激烈な、重度の、やりようのない、ホームシックにかかってしまった。
唯一、彼女がのびのびできるのは英語の教科書を朗読する時間だけであった。
『僕は頭が痛くなってきた。くそぅ、せっかく憧れの彼女とデートをしているのに…。僕は脂汗をかきながら頭痛に耐えた。あぁ、目の前で彼女がチョコレートドリンケっ!を注文している。アスピリン…ねぇ、アスピリンをくれないか
』みたいなお話を、意気揚々と聞き取れない速さでもって読み上げるので、毎回先生にゆっくり、ゆっくり、と諌められていた。
そして、そんな彼女も修学旅行に参加することになり、さらに事件は起こる。
「キョーロー」
「なぅら」
楽しみにしていた京都・奈良への旅。
まずは行きのホームから。
「カフィ飲みつぁい」
うん、うん、後でね


けしごむはなだめる。
「Hey?ケシゴム子、カフィ飲みつぁいよ
」うん、日本ではね、先生がいいって言わないと自由時間はないのだよ。
「Heeey
カフィ…
」「NO

待ってなってば!」けしごむはキレる。「What
カーフィィー……飲ミツァァァァァァイ



」居なくなり、探す。
キョーロに着いてからも、
「ねむつぁい

」と部屋から出て来ず、先生が呼びに行くと顔をひっかかれて哀しそうに戻る始末。
清水寺やら鹿やら抹茶やらを堪能する暇なし。
女子校で縁がなく、なんとしてでもあの有名な神社で岩を触りお守りを買う予定もおじゃん。
さんざんな思い出だったという事を、去年出張で京都に行った時に鮮明に思い出したのだった。
今、傍にいるアメリカから来た友達は、コーヒーもコーラも待ってくれるので大変にありがたい。
【今日のけしごむ】
留学生は、日本食にも馴染めず、ビールの樽底に溜まるという黒い…なんだっけな、ペーストをパンに塗って食べていたなぁ。